農工大の樹 その21
ウメ

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ウメ
(バラ科サクラ属の種,学名:Prunus Mume Sieb. et Zucc.)

 ウメは中国中部原産の落葉樹で,中国の国花です。和名のウメは中国語でウメをさす(Mei)から転化したとも言われますし,学名のMumeは和名のウメに由来するものです。日本には8世紀以前に渡来し,現在では東北地方以南の地域に観賞用,果実用として広く栽培されています。品種改良も進んでおり,園芸種は300種以上あると言われます。ウメは花を観賞する「花ウメ」,果実用の「実ウメ」に大別されますが,性質によっても本来のウメの性質をもつ「野梅系」,花が白でも赤でも枝を折ると木部の材が紅色をしている「紅梅系」,ウメとアンズの中間系である「豊後系」,アンズ系の品種に近い「杏系」の4群に類別されます。この写真のウメは,紅梅系の「唐梅」と呼ばれる品種のようです。ウメはアンズと近縁ですが,それとの違いはウメは花に芳香があり,がく片は反り返らないこと,実は果肉と種が剥がれにくいこと,葉はアンズよりも細く,樹皮に細かい筋が入らないことなどで区別できます。

(農学部教授 福嶋 司)


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