農工大の樹 その4
メタセコイア

tree04.jpg (21943 バイト)


メタセコイア
(スギ科メタセコイア属の種,学名:Metasequoia glyptostroboides Hu et Cheng,
別名:アケボノスギ,漢字:水杉)

 この種は化石の分布から白亜紀から第三紀中新世(510万年以前)までの間に日本を含む北半球に広く分布していましたが,絶滅したと思われていました。ところが,1946年に中国の楊子江の支流(磨刀渓)で神社の神木として生きている個体が偶然にも発見されました。それは樹高は35m,胸高直径2.3mの壮大なものでした。このため「生きた化石」と呼ばれています。日本には戦後アメリカから種子が送られ,1949年に皇居内(吹上御苑)に植えられたのが最初で,その個体は今でも立派に育っています。この種は挿し木での活着率が非常によく,成長も早いのが特徴です。すらーっと整った三角錐の樹形が好まれ,急激に全国に広がりました。落葉針葉高木のこの種は,秋には先の方の小枝が褐色の葉をっけたまま落ちます。よく似た種としてヌマスギがありますが,メタセコイアは葉や枝が一対に向かい合った対生であることでそれと区別できます。

(農学部教授 福嶋 司)


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