農工大の樹 その1 |
ケヤキ
(ニレ科の種,学名:Zelkova serrata Makino,漢字:欅,槻)
ケヤキは標高50m,胸高直径3mにも達する高木で,本州,四国,九州,台湾,中国に分布しています。扇を半ば開いたような美しい樹形で,ザラつく長楕円形の葉をつけます。樹皮は灰紫褐色で丸いイボ状の皮目をもっています。年数を経ると樹皮が雲斑状に剥がれるのも特徴です。名前の如来はケヤケキ木(めだつ木の意)から出たと言われ,古くはツキ(槻)とも呼ばれていました。地名あるいは名字の高槻,大槻などはこの大木に由来するものと思われます。良質の材で,古くは仏像,建築材として利用され,近世からは家具材,器貝材,彫刻材としても多く利用されています。
本学正門からのケヤキ並木は昭和9年の農学部本館竣工時の写真には写っていません。昭和10年以降に植栽されたもので,樹齢は70年余りです。成長が良く大木になって,落ち着きのあるキャンパスの雰囲気を醸し出しています。
(農学部教授 福嶋 司)