Town トレイン

第1号 平成3年9月発行 

 Town トレイン の由来は、題名を付ける際、なかなか決まらなかったため、「今から最初にここから見える列車の列車名」と決め、見ていたところ、
 普通列車 が来たため、北陸本線普通列車についているヘッドマーク、
 Town トレイン を題名にした訳である。

鉄道旅行記

−青春18きっぷ×1/5 編−

 鉄道の「時刻表」にも愛読者がいる。
 時刻表本来の用途からすれば愛読の対象となる書物ではないが、とにかくいる。しかも、その数は少なくないと言われている。私もその一人である。
 真底からの愛読者になると、旅行など一切しない。生れ故郷から一歩も外にでなかったカントのような趣があるから、最も純粋な愛読者であろう。それに比べると私など、時刻表を眺めていると汽車に乗りたくなってしまう質だから、純度は低い。しかし、時刻表を読みはじめるときりがなくなることを考えれば愛読者には違いない。
 そういうわけで、ときどき「時刻表に乗る」ための旅行に出掛けていた。
 ところが、ひょんな理由で、「JR全線乗車」のとりこになってしまった。この旅行記も、そのための旅行のひとつであることを、どこか頭に入れておいていただきたい。

 西入善発下り始発列車は6時14分に発車する。
 今日は未乗線区の越後線、弥彦線、白新線と羽越本線と信越本線の一部に乗る予定をたてている。
 それにしても朝の始発列車というのはさすがに眠い。特に北陸本線というのは、何度も乗ったことがあるので特別、景色に気を配ることもない。目を覚ましたら終点の直江津の1番線についていた。あわてて列車をおりて、途中下車することにする。
 途中下車とは、旅行途中(乗車券の区間内)でいったん駅の外へでてその後再び旅行を続ける場合のことをいい、特定の切符のみ可能である。今、使っている、青春18きっぷは特定の切符のひとつで、普通列車、快速列車の普通車自由席に1日中乗り放題の切符が5枚一組になっていて、鉄道部の旅行には欠かせない切符である。
 本題に戻るが、私がなぜ途中下車するかといえば、駅舎写真、「わたしの旅」スタンプ(以下スタンプ)、途中下車印の三つのためである。駅舎写真はその名のとおり駅舎の写真、スタンプは主な駅に設置してある、駅、又は駅付近の特長が彫られているスタンプ、途中下車印は本来の用途は知らないが頼むと駅名が彫られたスタンプを押してくれる。
 直江津では、三角屋根の駅舎はこの前写したので、スタンプと途中下車印を押すだけにする。しかし、途中下車印を押してもらうと、ついでに乗車船日のスタンプまで押される。
 3番線に行って、越後線経由新潟行快速やひこ号に乗る。快速といっても様々だが、この列車は名前つきということからも、上のほうに位置する。車両のほうも、簡易式リクライニングなど、設備も整っている。問題は、弥彦駅には行かないこと位である。

 終点新潟着9時27分。3番線に到着する。途中下車は、何時間後に来るときにすることにして、隣2番線に9時28分から停車している村上行快速せなみ号に乗る。名前の由来は村上駅付近にある瀬波温泉から来ている。二度続けての快速であるが、快速というのは、早さの割に料金がやすいので誠によい。
 新潟を9時37分に出発して、新幹線の高架がだんだん見えなくなり、車窓も暇になった頃、車掌が来て車内検札をしにくる。桜の花びらの形のなかに白新線の頭文字「は」の字が入った印が付けられる。

 終点村上着10時27分。このあとは新発田に引き返すことにする。新発田で降りてもよかったのだが、1時間20分も待たなければならないのと、村上まで来ても、結局同じ列車に乗ることを考えると、3秒でこっちを選ぶことを決めた。
 途中下車印、駅舎写真はよかったがスタンプがない。こういうことはよくあるからあまり残念がることもない。諦めも早い。
 改札口を出ようとするが閉まっている。発車数の少ない駅ではこのようなことがよくある。富山駅でも出口などはこうであることを考えれば納得もいく。
 発車10分前位になってやっと改札口が開く。村上発10時49分。先程の列車の折り返しの快速せなみ号は、景色を巻き戻して新発田11時15分着。急いで、「しばた」という途中下車印だけを押して、11時19分発新津行普通列車に乗る。しかし、電化区間なのにディーゼル車、一両編成、ロングシートと好みに合わないことばかりである。会社は考えて運転しているので通りすがりの暇人にこんなことをいわれてはたまったもんじゃないと思うが。

 終点新津着11時51分。やけに終点が多いと思うが全線乗車になると中途な駅で降りることはあまりないので、終点が多くなってしまう。
 例の三つを済ませて、新潟行普通列車に乗る。3月16日にできたばかりのさつき野駅等に停まって、新潟着12時24分。しかしスタンプがない。こういうことはよくあるといっても、ここまでないといらだったりもする。駅弁とお茶を買う。駅弁はともかく、お茶を買うのは何故かと聞くかもしれない。ジュースだとやはり駅弁に合わない。嬉しいことにJR東日本ではだいたいどこでも自動販売機でお茶を売っているから手軽に買える。

 13時07分に7番ホームに入線した普通列車は満員の中13時16分に出発する。なんとか席に座って弁当を食べる。こういうのを「旅の恥はかきすて」等というのだろうと勝手に思い込んでいるが、やはり人は少ないほうがよい。目線が知らないうちに集まっていたりしている。

 東三条着14時00分。これから弥彦へ向かう。途中下車印、スタンプ、駅舎写真と済ませた後、14時10分、弥彦行普通列車が発車する。しかし、ワンマン化準備車というのはよくない。燕三条で新幹線の下を通って、吉田で7分停車するが、一時間後に又来るので途中下車はしない。

 終点弥彦着14時45分。途中下車印とスタンプを押して弥彦神社を意識した駅舎を写す。晴れていれば乗る列車を遅らせて弥彦神社まで行こうとも思ったが、小雨がぱらついているのでやめて、列車に乗りこみ、弥彦を15時09分に発車する。
 しかし、この列車は吉田から新潟へ向かうので、吉田で下車して、スタンプと途中下車印を押して駅舎写真を写す。
 その後、15時35分に出発するが、中学生の団体がいて盛り上がっている。何か、外人に話しかけれよ、とかという話みたいだが、もしも、その外人が日本語が分かっていたら、どんな気持ちになるか分かっていないところがまだまだ子供である。今度はやっと話しかけて、又盛り上がっている。燕で降りて行ったが、春休みのさなかに何をしていたのだろうか。

 東三条着15時53分。7分の待ち合わせで長岡行普通列車が発車する。見所のないまま長岡に着く。考えると結構長岡〜新潟間は長い。富山〜金沢間より長いといえばだいたいの距離感がつかめるはずである。例の3点セットと、弁当、お茶を買って、直江津方面行普通列車に乗る。席は確保したが、満員である。又もその中で弁当を食べたが、牛肉弁当だけあって美味しい。値段が1000円以下というのも、よい。当初そのまま直江津まで行く予定であったが、弥彦線内でやひこ号に乗ったほうが早く着くことが分かったので、柏崎で3点セットを済ますことにしようと思うが、苦労して見つけたのに、このことを車内放送で言われると、自分の特許だなどとつい思ってしまうが、特許と言えるようなことではない。
 しかし、やひこ号に乗って、米山駅で先程の列車を横目に通過するのはやはり気持ちがよい。

 直江津着18時25分。待合室で休んだ後、18時43分、通学でおなじみの、富山発16時37分の列車が着く。この列車が、又富山方面に向かう。
 直江津を発車して糸魚川付近まで来ると、暗闇の中、一瞬蛍光灯が消える。これは、交流と直流を切り替えるためである。ちなみに、その時だけ補助蛍光灯がつくから、あまり心配することもない。

 西入善着20時05分。これで一日の旅が終わった。
 つまり、もう書くことがないので、この阿呆らしき鉄道物語の「一部」を終わることにする。

担当 村田
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富山地方鉄道情報

−第1回−

 富山県東部の富山平野から、立山等の山間部まで走っている富山地方鉄道(以下地鉄)は、非常に有名である。では、これから、部が廃部にならず、私が部をやめず、広報が廃刊にならず、このコーナーがなくならず、担当が替わらないかぎり、この文章を欠かせて戴くことにする。

 地鉄は、本線、大山寺遊園線、立山線の3路線(通称「市電」もこの中に入れる場合がある)に分かれる。まず、今回から3回に分けて、本線の特集をすることにする。(広報が続けば)

 私の住んでいる滑川市には本線の駅が8つある。(ちなみに私はJR通学者)この滑川にはめずらしくないがあまり見かけないJR兼用駅がある。しかし、富山や魚津ばかり乗換駅と知られていて、このことを知っている人は、少ない。とにかく、この文章を読んだ人は今度、滑川へ地鉄で行ってみよう。(片道490円、JR310円)

担当 旦尾

鉄道新情報

−鉄道部 編−

 鉄道新情報ということで東北新幹線の乗り入れ辺りをやってもよかったが、今回は、鉄道部のことを書くことにする。が、鉄道部といっても我々の集まりのことではない。説明すると、
 JR西日本では、地域に密着した鉄道を目指すため、効率的、機動的な運営を図るために鉄道部という組織を作った、ということである。
 富山県内では、平成3年4月より、
 富山鉄道部 高山本線(富山−猪谷間)
 高岡鉄道部 氷見線(高岡−氷見間)城端線(高岡−城端間)
が発足した。
 内容であるが、「人員削減」が元である。地域に密着した鉄道を目指す等と言っているが、地域に密着した鉄道というのは、大赤字線(北陸本線も赤字線であるため区別しておく)ということであるから、人員を減らして、つまり社員全員に与える給料を減らして収入に対する支出を減らすわけである。たとえば、ワンマン車になって、駅員も減って、分かりやすく言うとバスに近いものになる。
 上記の鉄道部ではまだそこまで至ってないが、そのうちそうなるだろう。
 しかし、鉄道ファンから見ると、「ワンマン列車」というのは、他会社で乗ったことがあるが、後何年かで、「廃線」または「第三セクター」(地方自治体などが運営する鉄道会社のこと)になるような気がして悲しい気持ちになってしまった。
 富山でも、そのような気持ちにならないといけないと思うと、その各路線沿線の方に、日頃から頻繁に利用して、定期は地元の駅で買うことにも心がけて、そのうち鉄道部が廃止される位になってほしい。(我々の部まで廃止しないこと)

担当 村田

列車面白編成

−スーパー雷鳥 編−

 今回は、富山駅でもよく見られる、スーパー雷鳥について書こうと思う。

 スーパー雷鳥 神戸・大阪〜富山間運転の特急列車である。
 9両編成
  9号車 パノラマ型グリーン車
  8号車 V・T・R、ラウンジ、売店、電話付グリーン車
  5号車は9月に電化される七尾線(石川県)運転用車両が使われている。
  七尾線運転開始からは10両編成になり、そのうちパノラマ型グリーン車側車両が和倉温泉(七尾線)まで行き、残り3両が富山へ来る予定で、その3両の先頭車が今の5号車に使われている。 (発行の遅れのため違いが有り)
  訳が分からないと思うが、そのような人は、現物を見よう。

担当 小西

駅見聞

−富山港線・城川原駅 編−

 城川原駅 富山港線(富山〜岩瀬浜間)のほぼ中間にあたる有人駅。

 構内
  富山港線で唯一列車がすれ違うことができる。
  昔は、列車基地があって旧形電車がスカイブルーのいでたちで活躍していたが、今は北陸本線用の列車が走り、その敷地のみが残っている。  周辺
  駅前は富岩道路が走っている。
  東側は田が広がっているが、南側はマンション建設等、開発が進んでいる。
  駅前の道を渡ると、某健康ランドがある。
 駅員に尋ねる
  1日利用者数は 約430人
  この駅の主な役目は
   鉄道面では  すれ違い設備によって1時間1往復のところ、2往復が可能になること。
   利用客面では 通勤通学ラッシュ時のスピードの早さと駐車場を持たない人も利用できる。

  JRでただ1つの「港線」という名を持った鉄道の中心駅として、これからも、誇りを持ってほしい。 

担当 小西

編集後記

 本当は7月頃に出すつもりだったのだが、原稿が集まらなかった(書いてなかった者がいた)ために結局「学校祭の展示物」となってしまった。それも、最後まで原稿が集まらなかったりして、容量も少なくなってしまった。しかし、最低自分の持ち分は熱を込めて原稿を書いたのだから、内容は濃いだろう。少なくなってしまった分、勘弁してほしいと思う。後、内容が古いのはそのためである。それも勘弁してほしい。

 Town トレイン 平成3年9月創刊
  第1号 平成3年9月発行 富山大学教育学部附属中学校鉄道部

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