黒部川右岸、というより、黒部川の沖積地に開けた水田の中の海岸にかなり近づいたところに駅がある。幾筋もの水路が、海に向かって流れている。豊かな水が、この辺りの農業生産を支えている。大きなラグビーボールのような入善ジャンボ西瓜の産地でもある。よく「黒部西瓜ではないのか」という質問があるが、多分、品種名は黒部西瓜だが品名は入善でつくったものだから入善ジャンボ西瓜としたのだろうという私自身の見解が固まってきている。
駅の北東の海寄りに、「杉沢の沢杉」と呼ぶ杉の群生林がある。扇状地の先端部に生い茂る立山杉で、圃場整理のため根こそぎ埋められ、今ではここだけになってしまったのを保存している。
駅の北西の海寄りに、「園家山」という砂山がある。標高17.4mという低さながら一等三角点がある。また「キャンプ場」としても使われている。
信号場から駅となった数多い中の一つである。
「西入善駅」何ぞを題材にしたのは、郷土の宣伝が第一だが、利用者が少ないながらも生きているということを、いつもせいぜい富山駅位しか見ていない人に言いたかったためである。後、参考として、小学館発行「国鉄全駅各駅停車F 北陸・山陰510駅」を一部引用したことを感謝を込めてここに記しておく。