微分積分学Tおよび演習 | |
概要 | |
1変数関数の微分積分とその応用を学びます.微分積分学は自然現象や社会現象などの変化を数式で記述し,解析する学問です.統計学,物理学,化学,工学などに広く利用されています.高校で学んだ微分積分の考え方を発展させていきます.極限の考え方を理解し、高度な計算力を身につけるのが目標です. まず実数の性質の中で連続性が微分積分の基本になっていることを説明します.微分は関数の変化を記述し解析する道具です.極限の考え方から出発して微分を定義し,その計算法を習得します.その過程で三角関数,逆三角関数,指数関数,対数関数などの関数の性質も学びます.積分については,微分と積分はたがいに逆演算であるという微分積分学の基本定理を説明し,不定積分,定積分の計算法を学び,その応用として図形の面積や曲線の長さなどの意味と計算法を習得します. |
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到達基準 | |
この講義の目標は,多項式,有理関数,無理関数,三角関数,指数関数,対数関数などの微分積分ができるようになること,関数の最大値,最小値の計算を理解できるようになること,面積や曲線の長さが計算できるようになることです. 本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照してください. |
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授業内容 | |
1. 実数の連続性、関数の極限:実数の連続性が極限の考え方の基礎になる.表面に現れない部分に実数の連続性が使われている. 2. 連続性と微分可能性:関数の連続性と微分可能性を復習し,連続だが至る所微分不可能な関数の例なども挙げる. 3. 微分法の公式と計算,逆関数とその微分:導関数の計算法を学ぶ. 4. 逆三角関数の微分,高次導関数とライプニッツの定理:新しい逆三角関数とその微分,二つの関数の積に関する高次導関数の公式を学ぶ. 5. Rolle の定理と平均値の定理:関数の増減を考える基礎になる平均値の定理を復習し,新しい記述の仕方を学ぶ. 6. Taylorの定理とその応用:n回微分可能な関数が多項式に近似できるというTaylorの定理を述べる.多項式の扱いやすさから,増減,極値の判定につながる. 7. まとめ 中間試験. 8. 極値と凹凸,不定形の極限値:極値の判定を学び,微分の応用として不定形の極限値の計算に役立つロピタルの定理を学ぶ. 9. 不定積分の計算:不定積分の定義を与え,計算法を学ぶ.置換積分,部分積分をもう一度復習しておくこと.積の微分が簡単でないことから,積の積分が難しくなる. 10. 有理式の積分,三角関数の有理式の積分:どの有理関数も積分ができる.積分ができることと,不定積分が存在することとは意味が異なる. 11. 定積分の定義と性質およびその計算:積分可能の定義を復習し定積分の計算法を復習する.理論と実際が違うことをもう一度理解すること. 12. 広義積分:不連続点が有限個ある場合,積分区間が無限区間であるような積分を考える. 13. 図形の面積と曲線の長さ:定積分の応用として平面図形の面積や曲線の長さを求める. 14. 積分を使った様々な問題について演習を行う. 15. まとめ 期末試験. (以下は工学部のみです) 基本的には初めの時間に講義を行い,つぎの時間では演習を行います.学期末には統一試験を実施します. |
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履修条件・関連項目 | |
高等学校の数学(特に,数学I,II,IIIなど)が必要です. 授業時間60時間に加え、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと. |
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テキスト・教科書 | |
1回目の講義で伝えます. |
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参考書 | |
入門微分積分 三宅敏恒 培風館 |
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成績評価の方法 | |
教員から一言 | |
授業時間内の演習だけでなく,教科書の各章末にある問題を積極的に解いて基礎的な計算力をしっかりと身につけて下さい. |
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キーワード | |
いろいろな関数の微分,テイラー展開,不定形の極限値,有理関数の不定積分,広義積分 |
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オフィスアワー | |