ストレッチフォーミングにおける金型修正アルゴリズムの研究
 研究の背景・目的
 板材プレス成形における主な加工法として,ストレッチフォーミング(引張曲げ加工)が用いられているが,成形後に生じる スプリングバックが問題となり,金型設計時のトライアル工数,試作コストの増加を余儀なくされている.例えば,航空機や新幹線の外板は,このストレッチフォーミングで成形されている(図1).
 そこで近年,有限要素法シミュレーションを用いたプレス成形の事前評価が推進されている.特にここ数年間の数値シミュレーション技術,ハードウェアの進歩により計算時間が大幅に短縮され,実プレス成形に適用できる段階までスプリングバックの予測が可能となりつつある.
 しかし,予測された結果をもとにスプリングバックを見込んだ
金型の修正方法は加工現場において未だ確立されておらず,熟練した技術者が過去の経験をもとに何度も金型モデルを修正しているのが現状である.そこで,金型形状を評価,模索し修正を行う一連のアルゴリズムを導入した金型設計の最適化が望まれている.
 本研究では,まず有限要素法を用いて3次元引張曲げスプリングバック解析を行い,プレス成形時に生じるスプリングバック量の評価を行う.そして得られた解析結果に基づき,金型設計工程を定式化し,スプリングバックを見込んだ金型修正アルゴリズムを提案することを目的とする.


図1 ストレッチフォーミングの適用例(航空機外板)
 研究方法と特徴
 まず金型修正計算に用いる基礎データの取得を目的として,図2のような母線方向に曲率の分布を持つ円錐形状を有する曲面についてスプリングバック解析を行った.除荷前後での試験片の節点座標値よりスプリングバック量を算出し,実験と比較した結果を図3に示す.全体的に実験値の傾向を捕らえることができている.今後このモデルを用いて,金型修正手法の開発に取り組もうと考えている.
図2 解析モデル



図3 解析結果と実験値との比較