◎ 名誉教授 遠藤 章氏「日本国際賞」記念特別講演会を開催
 5月23日(火)に本学名誉教授の遠藤章氏をお招きし、「東京農工大名誉教授 遠藤章 氏『日本国際賞』受賞記念特別講演会」を農学部講堂で開催し、小畑秀文学長をはじめ役員、部局長、教職員、学生から一般の方まで約200名参加しました。
 遠藤氏は、血中コレステロール値を下げる画期的な医薬である「スタチン」の発見と開発により、科学技術において独創的・飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められた人に送られる日本国際賞を「治療技術の開発と展開」の分野で今年受賞されました。
 講演は、アメリカ留学中の研究や見聞から始まり、コレステロール合成の律速酵素の阻害剤を探す研究、そしてコンパクチンの発見、幾多の研究・開発の危機を乗りこえて、コンパクチン同族体(スタチン)が極めて有効なコレステロール低下剤になり得ることを立証してスタチン開発ブームの起爆剤となったこと、スタチンの世界的規模での商業化などが語られました。また、数々の臨床試験を経て、「スタチンは動脈硬化とコレステロールのペニシリン」といわれるようになっていることや様々な共同研究の実施とその成果が語られ、少年時代から野口英世にあこがれ、自分自身も世の中の役にたつ人になりたいと思い続けていることなども交え、研究者にとってどういった心構えが望ましいか、努力すること、チャンスを作ることも必要である、といった学生達へのアドバイスも含め、一時間半を超える熱の入った講演となりました。
 講演終了後には、学生からの質問に遠藤氏が答えに窮するような場面もあり、講演会はあっという間に終わったような感がありました。
  
 
 
    
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