灰付着性の抑制

石炭火力やバイオマス発電などに用いられる燃焼プラントは生活に不可欠なものです。燃料に含まれる無機分は燃焼時に燃え残り、灰として生成します。その灰粒子が様々な部分に付着することで、伝熱効率低下や管の閉塞等の問題を引き起こします。本研究室では、燃焼灰の高温付着性を模擬した合成灰を作製し、単純な系にしたうえで、付着の原因となるアルカリ金属成分に対して有効な薬剤を設計・開発しています。本研究室独自の装置を使用して付着力を定量化するなど、唯一無二の分析を行っている点が特徴です。その結果を化学組成や空隙率(粒子の隙間の割合)などの分析、シミュレーションと組み合わせることで、薬剤の付着性抑制機構を詳細に分析します。

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光/電気化学反応開発

地球環境にやさしくクリーンな光エネルギー、電気エネルギーを用いた有機合成反応は、最近注目されています。光触媒は光エネルギーを、電極は電気エネルギーを化学エネルギーに変換することが可能であるため、本研究室ではこれらを用いて有機合成反応の開発を行っています。特に光触媒では、ワイヤレス電極とも呼ばれる酸化チタン光触媒を主に用いており、通常の電極電解と異なる点、電極電解と酸化チタン光触媒がそれぞれ得意とする反応を日々模索しています。さらに、酸化還元電位(CV)測定や紫外可視(UV-vis)光吸収測定、密度汎関数理論(DFT)計算を取り入れ、発見された反応の詳細な機構を分析し、次の新たな発見に繋げています。

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分散凝集

産業・医療を中心に幅広く応用可能性のあるナノ粒子は、その小ささゆえにユニークな性質を持ちます。しかし同時に、小ささゆえにファンデルワールス力などの表面間引力によって凝集しやすいという難点を抱えており、この凝集をいかにして防ぐかがきわめて重要な課題です。本研究室では、ナノ粒子の溶媒分散に着目し、分散・凝集制御のための基礎研究に取り組んでいます。特に、ナノ粒子に欠かせない表面リガンド(分散剤)の構造が分散性に与える影響について、有機分子設計を主軸にさまざまな角度から検討をおこなっています。

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蛍光分子の開発

蛍光体は特定の光を吸収して発光する性質をもち、蛍光色素は医薬や生命科学などの幅広い分野で利用されています。技術の進歩とともに、近年ではより高感度な分析手法が求められており、それに伴ってより高い輝度や安定性を持つ蛍光体を開発することの重要性が高まっています。本研究室では、ジヒドロベンゾフラン誘導体の有する蛍光性に着目し、ジヒドロベンゾフラン骨格を基本骨格とする低分子蛍光分子の開発を行ってきました。有機化学反応を用いて分子構造を改変することで、蛍光性の向上と新たな蛍光材料としての利用を目指しています。

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