国際イノベーション農学コース( IIAS )について
本コースは、農業や環境分野の課題に対して、言語や分野などの境界を越えて、自らファシリテータとなり、議論を進めることができ、課題解決へのロードマップを構築・実践することができる専門知識と技術を養成します。
- 英語による講義、演習を行い、国際活動に必要なコミュニケーション能力を養う。
- 外国人留学生と日本人学生を日常的に一体教育し、異文化交流を促進し、リアルな国際的な「場」の感覚、コミュニケーション能力を養う。
旧・国際環境農学専攻の3つの教育研究分野に加えて、新たに獣医学系教員による応用動物学教育研究分野が加わり、新・農学専攻の傘下で既存専門分野の横断的統合による総合的な教育研究をめざしています。
10月入学制度
本コースは、外国人留学生などを受け入れやすいように4月入学に加えて10月入学制を導入しています。
本コース大学院生の構成2024年4月現在
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日本人学生 留学生 合計人数 修士1年4月入学 14 4 18 特別コース・修士1年10月入学 2 12 14 修士2年4月入学 13 5 18 特別コース・修士2年10月入学 0 7 7 合計 29 28 57 -
- 留学生の主な出身国
- 中国、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、パキスタン、ウズベキスタン、モザンビーク、ガーナ、セネガルなど。
国際イノベーション農学コース( IIAS )の目的
東京農工大学(TUAT)は、人間社会を支えるかなめとして基礎研究から、農学、工学、そして両者の融合領域を対象とする「ミッション志向型研究」を通じて、新しい知の創造を推進しています。
本学における科学技術の健全な発展を促進する教育研究活動のなかで、国際イノベーション農学コース(IIAS)は、持続的資源管理と農業生産に寄与することを目的としています。
持続可能でグローバルな共生社会を構築するため、海外との学術および文化交流を強化に取り組んでいます。
こんにち私たちの社会は、環境変動と人為による地球規模と地域規模の両方の環境問題と農業食料問題に直面しています。
たとえば、大気汚染、洪水・干ばつ、酸性雨、砂漠化、熱帯林の破壊、土壌侵食、水質汚染、人口増加による食糧不足、持続可能な資源利用、気候変動への適応といった、さまざまな課題が挙げられ、具体的な解決策が求められています。
こうした諸問題に対処し、地球規模の視点で持続可能な解決策を模索するため、総合的な環境科学を推進し環境の再生保全に取り組む必要があります。
特に、高度な食料生産計画と環境に悪影響を及ぼさない新たな生産の創出は必須の課題です。
弾力性のある資源管理とコミュニティ開発は、ローカルからグローバルな規模で持続可能な開発目標(SDG)を達成するための鍵となると考えられます。
本学では、こうした環境・農業問題の解決に寄与するため、1999年に国際環境農学専攻(IEAS)が設置されました。
IEASは、これまで世界各地の環境・農業・農村開発と関連学問分野の指導的人材の育成に取り組んできました。
本学では、国際環境農学専攻の教育研究を発展させ、農学および関連応用分野における新たな課題への取り組みおよびイノベーションに取り組むため、2019年度から「国際イノベーション農学コース(IIAS)」が設置されました。
IIAS プログラムは、革新的なアイデアと精神に基づいた高レベルの農業生産の開発と、環境浄化、修復および保全に寄与するため、これらの課題に関する長期的かつ学際的知見を重視し研究に取り組んでいます。
人材育成の特徴
国際環境農学専攻から引き継いだ国際環境修復保全学、国際生物生産資源学、および国際地域開発学教育研究分野に、IIASでは国際応用動物学、さらに協力分野として国際応用生命科学が加わりました。
本コースでは、国際協力と地域開発の取り組み・経験を活かし、農学と関連分野の個々の研究プロジェクトと関連する技術的進歩を包括的に相互連関させる方法を検討します。
同時に、私たちはこれらの結果を取り入れ、発展途上地域で実践的に生態学的、文化的、そして社会的に実行可能な解決策に取り組みます。
私たちは単に、当該分野で統一された専門技術者を訓練することを目的とせず、先に述べた「国際イノベーション農学」の見識を持つ、新しいタイプの若手専門家を育成することをめざしています。
すなわち、学際的な環境農学分野において、国際的視野を持ち、諸外国の文化を理解し、国際社会において指導的立場で活躍できる専門家および研究者を養成することを目的とし、この目的を達するために複数の教育研究分野における革新的学術研究を併せて実施します。
教育方針
本コースでは、以下の大学院農学府農学専攻の教育方針に沿ったカリキュラムを整備しています。
農学専攻は、伝統的な農学とその関連分野の知識や技術的な体系を習得するのみならず、人々の生活や地域づくりの視点、食から健康までの幅広い農学分野をも網羅しつつ、国際舞台で活躍できる人材を養成することを目的とする。この目的を達成するため、以下の能力を身につけるための教育研究を実施する。
- 1.持続的社会に必要となる人口・食料・資源・環境問題の解決に不可欠である、食糧・健康・生命機能・生物資源・資源管理・情報・農村社会基盤などの農林学や生命科学に関する高度専門知識と技術力
- 2.個々の専門領域において個別の専門性を身につけながら、社会の持続的発展のための貢献を使命とし、自然と人間および社会に関して深い理解と洞察をなしうる、俯瞰的視野を持ち国際人として活躍できる素養と教養
- 3.課題探究能力を持ち、社会要請にこたえて科学的手法を駆使して現場に立脚した問題解決を図ることができ、かつ、研究倫理を尊び、自ら研究・調査した結果を報文や論文としてまとめ、学会や国際会議などで発表できる能力
- 4.豊かなコミュニケーション能力を備え、諸外国の歴史や分野を理解し、専門性と学際性を両立させながら、国際社会において指導的立場で活躍できる能力