Icon 東京農工大学農学部応用生物科学科・農学府応用生命化学プログラム
発酵学研究室

Tokyo University of Agriculture and Technology
Laboratory of Fermentation

About us

発酵学研究室ではスクリーニングや薬理作用解析を行うことで新しい薬理活性・作用メカニズムの発見や新規創薬標的の同定を目指しています。
現在は、癌幹細胞の分化・増殖制御機構の解明および微生物由来生理活性物質の炎症制御機構解析を目的に実験を行っています。

News

2024.11 SMTPの治験結果の論文が公開されました。 詳細を見る

2024.9 日本血栓止血学会にて当研究室での研究が採択されました。 詳細を見る

2024.9 蓮見先生のお誕生日会&4年生院試お疲れさま会を開催しました。 詳細を見る

2024.8 10月13日(日)に秋のキャンパスハイクが開催されます。 詳細を見る

2024.8 鈴木絵里子先生が教授にご就任されました。 詳細を見る

2024.5 応用生物科学科3年生 研究室見学のお知らせ 詳細を見る

2024.4 ホームページを作成しました。

 
研究概要 / Research Summary

1. 癌幹細胞の増殖・分化制御機構の解明

 癌の再発の主たる原因となる癌幹細胞(cancer stem cell:CSC)の増殖や分化、分裂様式を制御するメカニズムを知るための研究を行っています。
CSCは自己複製能と多分化能を有し、分化状態の異なる多様な細胞を生むことで、腫瘍内細胞集団不均一性を維持しており、これが癌治療が困難を極める一つの要因です。従って、その制御機構がわかれば、癌の再発や転移を制御できるかもしれません。
 私たちは、前立腺癌細胞株PC3から得た癌幹細胞と、非癌幹細胞の物理的な相互作用によって、癌幹細胞の増殖が制御されることを発見しました(Suzuki et al., BBRC 2022)。 天然物化合物ライブラリーを用い、癌幹細胞の分化裂を制御する化合物の探索も行っています(理化学研究所環境資源科学研究センター(CSRS)創薬ケミカルバンク基盤ユニットとの共同研究)。

csc1 csc2

2. 生理活性物質SMTPの抗炎症作用機序解析

 当研究室で、真菌由来の生理活性物質として発見されたSMTPは、血栓溶解促進、慢性炎症・メタボリックシンドローム改善効果を有します。 脳梗塞治療薬として医薬開発が進められ、2021年5月に臨床第二相試験が成功、現在医薬開発の最終段階にあります。 このSMTPの薬効の鍵となるのが、可溶性エポキシドヒドロラーゼ(soluble epoxide hydrolase = sEH)という酵素です。
 SMTPは、sEHが有する二つの酵素活性(C末端エポキシドヒドロラーゼ、N末端ホスファターゼ)の両者を阻害し、優れた薬効を示します。 現在、上記二つの酵素活性について、新たな生理的基質の探索、ゲノム編集技術による点変異ノックインマウス等を利用し、新たな抗炎症作用発現のメカニズムを追究しています。

SMTP sEH

 
Member

教員 / Professors

教授
鈴木 絵里子  SUZUKI Eriko 
研究に対する主体性を持った学生・博士研究員を歓迎します!
特任教授
蓮見 惠司  HASUMI Keiji

学生 / Students

D1
1名
M2
5名
M1
3名
B4
3名
研究生
2名

技官 / Techinical Officer

2名

発表論文/Published Papers

  1. 【2024年発表】細菌メタロプロテアーゼによって生成される新規アンジオスタチン様プラスミノーゲンフラグメントの抗血管新生活性
    【Published in 2024】Anti-angiogenic activity of a novel angiostatin-like plasminogen fragment produced by a bacterial metalloproteinase

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  2. 【2023年発表】可溶性エポキシド加水分解酵素は腹腔マクロファージにおけるオートクリンシグナル伝達と関連した定常脂質代謝を維持する
    【Published in 2023】Soluble epoxide hydrolase maintains steady-state lipid turnover linked with autocrine signaling in peritoneal macrophages

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  3. 【2023年発表】可溶性エポキシド加水分解酵素のN末端ホスファターゼの選択的阻害剤としてのアミノ安息香酸の同定
    【Published in 2023】Identification of aminobenzoic acids as selective inhibitors of the N-terminal phosphatase of soluble epoxide hydrolase

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  4. 【2022年発表】直接的な細胞間相互作用がPC-3ヒト前立腺癌細胞株由来の幹細胞の分裂を制御する
    【Published in 2022】Direct cell–cell interaction regulates division of stem cells from PC-3 human prostate cancer cell line

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  5. 【2022年発表】スタキボトリス における SMTP 生合成におけるアミン制御 pri-SMTP 酸化:窒素獲得への関与の可能性
    【Published in 2022】Amine-Regulated pri-SMTP Oxidation in SMTP Biosynthesis in Stachybotrys: Possible Implication in Nitrogen Acquisition

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  6. 【2020年発表】黒酢由来の新規オリゴグルカン-メラノイジン複合体である黒酢メラノイジンは、体外での脂肪形成を抑制する
    【Published in 2020】Kurozu melanoidin, a novel oligoglucan-melanoidin complex from Japanese black vinegar, suppresses adipogenesis in vitro

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  7. 【2020年発表】不飽和脂肪酸は、サブチリシンNAT(ナットウキナーゼ)の線維素溶解活性を高める
    【Published in 2020】Unsaturated fatty acids enhance the fibrinolytic activity of subtilisin NAT (nattokinase)

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  8. 【2019年発表】可溶性エポキシド加水分解酵素のホスファターゼドメインのN置換アミノ酸阻害剤
    【Published in 2019】N-Substituted amino acid inhibitors of the phosphatase domain of the soluble epoxide hydrolase

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  9. 【2019年発表】中国の伝統的な発酵酢である浙江バラ米酢に含まれる血管保護活性化合物の特性
    【Published in 2019】Characterization of Vasculoprotective Bioactive Compounds in Zhejiang Rosy Rice Vinegar,A Traditional Chinese Fermented Vinegar

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  10. 【2018年発表】虚血マウスにおける SMTP-7 の抗神経炎症効果
    【Published in 2018】Antineuroinflammatory Effect of SMTP-7 in Ischemic Mice

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  11. 【2018年発表】抗酸化作用を持つスタキボトリス・ミクロスポラ・トリプレニルフェノール-7によるマウスの虚血再灌流関連脳出血の軽減
    【Published in 2018】Reduction of Ischemia Reperfusion-Related Brain Hemorrhage by Stachybotrys Microspora Triprenyl Phenol-7 in Mice With Antioxidant Effects

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  12. 【2018年発表】サルの塞栓性脳卒中における小分子抗炎症血栓溶解薬SMTP-7の有効性
    【Published in 2018】Efficacy of SMTP-7, a small-molecule anti-inflammatory thrombolytic, in embolic stroke in monkeys

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  13. 【2018年発表】マウス脳卒中モデルにおけるSMTP-44Dの神経保護効果と神経血管単位および栄養結合との関連
    【Published in 2018】Neuroprotective effects of SMTP-44D in mice stroke model in relation to neurovascular unit and trophic coupling

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  14. 【2016年発表】SMTPのイソプレン側鎖は可溶性エポキシド加水分解酵素阻害と細胞局在に必須である
    【Published in 2016】Isoprene side-chain of SMTP is essential for soluble epoxide hydrolase inhibition and cellular localization

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  15. 【2015年発表】可溶性エポキシド加水分解酵素阻害に関するプラスミノーゲンモジュレーターSMTPの構造活性相関
    【Published in 2015】Structure–activity relationships of the plasminogen modulator SMTP with respect to the inhibition of soluble epoxide hydrolase

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  16. 【2014年発表】血栓溶解性脳卒中薬 SMTP-7 の抗炎症標的としての可溶性エポキシド加水分解酵素
    【Published in 2014】Soluble Epoxide Hydrolase as an Anti-inflammatory Target of the Thrombolytic Stroke Drug SMTP-7

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  17. 【2014年発表】プラスミノーゲン活性化の新規小分子調節因子である SMTP-7 の作用メカニズム
    【Published in 2014】Mechanism of the action of SMTP-7, a novel small-molecule modulator of plasminogen activation

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  18. 【2014年発表】虚血性脳卒中に対する新規小分子血栓溶解薬 SMTP-7: げっ歯類と霊長類における研究
    【Published in 2014】SMTP-7, a novel small-molecule thrombolytic for ischemic stroke: a study in rodents and primates

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  19. 【2012年発表】SMTPプラスミノーゲンモジュレーターの生合成の重要な前駆物質であるPre-SMTP
    【Published in 2012】Pre-SMTP, a key precursor for the biosynthesis of the SMTP plasminogen modulators

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Post

2024.11 SMTPの治験結果の論文が公開されました。

蓮見先生が所属する研究グループによる、SMTPの治験結果の論文が公開されました。脳梗塞治療においてTMS-007(JX10)を投与することで、優れた安全性と有効性が確認されました。
↓大学HPのプレスリリース

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【2024年発表】急性虚血性脳卒中の後期症状における抗炎症性血栓溶解薬 JX10 (TMS-007)
【Published in 2024】Anti-Inflammatory Thrombolytic JX10 (TMS-007) in Late Presentation of Acute Ischemic Stroke

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2024.9 日本血栓止血学会にて当研究室での研究が採択されました。

当研究室での研究「血管新生阻害プラスミノゲン断片のin vivo誘導によるがん治療法の開発」で日本血栓止血学会から助成金を頂くことができました。
今後より良い研究ができるように引き続き頑張っていきましょう!

2024.9 蓮見先生のお誕生日会と4年生の院試お疲れさま会を開催しました。

蓮見先生のお誕生日会と、4年生の院試お疲れさま会を兼ねて、バーベキューを開催しました。
自然に囲まれた中で、リフレッシュしながら楽しい時間を過ごすことができました。
また、OB・OGの方々にもご参加いただき、さらに賑やかな会となりました。
蓮見先生、お誕生日おめでとうございます!これからもご指導よろしくお願いします。
4年生の皆さんも、院試お疲れさまでした!

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2024.8 10月13日(日)に秋のキャンパスハイクが開催されます。

10月13日(日)に秋のキャンパスハイクが開催されます。農工大や応用生物科学科に興味を持っている方、大学ってどんな感じなんだろうという方までご参加お待ちしています!
詳細はリンクからご確認お願いします。詳細はこちら

2024.8 鈴木絵里子先生が教授にご就任されました。
教授就任

8月から鈴木絵里子先生が教授にご就任されたため、蓮見先生と学生で祝賀会を開催しました。
鈴木先生おめでとうございます!

2024.5 応用生物科学科3年生研究室見学のお知らせ

応用生物科学科3年生向けの研究室見学会を6月5日(水)12時15分~、6月19日(水)12時15分~の二回に分けて行います。 説明会と見学会はおよそ30分程度を想定しており、その後研究室学生との談話(希望者のみ)を行う予定です。

 
Contact

鈴木絵里子教授
email: ersuzuki*cc.tuat.ac.jp
*を@に変えてください。
研究室見学も随時受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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アクセス:〒183-8509
      東京都府中市晴見町3-5-8
      東京農工大学 府中キャンパス 1号館214室
         キャンパスマップ上の①の建物です。

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