このコロナ禍において先が見えない状況ではありますが、先輩である留学経験者は、後輩の皆さんに「留学という選択肢」があることを意識して学生生活を送って欲しいと考えています。
そこで、2020年10月10日に、2018年度農学部AIMSセメスター派遣修了者有志による留学説明会を実施しました。
以下、経験者からの熱いメッセージや、参加した学生からのQ&Aがまとめられていますので、ぜひご覧ください。
授業について
楽しかったこと・苦労したこと
必要になる能力
生活(衣食住)について
費用について
大学としてのサポートなど
2018年度農学部AIMSセメスター派遣を終えて
学科、教職、研究室、成績、進路、大学院のこと等
• もともと興味があった、短期での旅行経験等
• 農工大で限られた学部、英語を忘れてきた
• 農学部は3年後期が暇だと先輩たちに聞いた(Rnは必修があり大変だった)
• ノリ(ライバルの留学が契機)、漠然とした「行きたい」という気持ちも大切
• 少しでも気持ちがあると動ける、動くと情報を集められる、周りに宣言する
• 留学行く人がすごい人である必要はなくて、その後ですごくなる機会がある
• 留学へ行く人が特別なのではなく、留学へ行った人が特別になれる
• Buddy Clubがきっかけ(東南アジアのエネルギッシュさ)
• 学内で国際交流、英語を使いたい、留学生とつながりたい、かけもちOK
• 活動計画、先輩との交流、留学生と友達に、イベント・パーティ・観光
• 今年はお家で国際交流(zoom、オンラインゲーム、工学部・留学生20名)
• Twitter: @BuddyClub_h29
• 情報収集(掲示板、先生や先輩と事前相談、先輩のデータ等を集める)
• 英語圏の場合、E-learning、 農工大の留学生とペアで組んで語学練習
• TOEFL講座を学内で受講、Academic Reading受講、会話練習
• 高校時代の英単語をしっかり使えるレベルになることが重要
• 授業自体は英語だが、現地語を使えることがコミュニケーションで重要
• 現地語の参考書を購入し、挨拶・形容詞・数字を事前学習、ネットのサイト
• 渡航前後の英語力:TOEIC 700→900点、 790→840点、700→850点、300→400点
• 英語力も重要だが他の能力(コミュニケーション力、一歩踏み出す勇気)も必要
• カセサート大学:熱帯農学国際コース、概論、病理学実験、林学部の先生の個別授業、インターンで演習林、AIMSフィールドツアー
• フィリピン大学:アグロフォレストリー、竹の棒60本を自力で用意する課題があった(笑)
• 東南アジアの大学では実験などグループ活動が多く、ディスカッションやプレゼンの機会が多い、英語力は必然的に上がる
• 旅行に行けた(文化の異なる友人ができる、日本では経験できない自然)
• 履修登録において情報収集が大変(開講されるのか?難易度はどれくらいなのか?良い先生なのか?などなど、現地学生に聞かないとならない)
• スキミング被害を経験!オンラインショッピングには注意
• 英語力はもちろん大事だが、コミュニケーションを取ろうとする力が必要
• 伝えようとする姿勢があれば、相手が汲みとろうとしてくれる
• 寮で基本冷水シャワーだったが、寮の大きなバケツを毎日借りていたらもらえた
• 動いてみたら何とかなる、行動力、サバイバル
• 人に頼る力が重要、問題が起こって自分がつぶれる前に誰かを頼ったほうが、最終的にはお互いにとっていい、人に頼る力を育むことができた
• マレーシアではとにかく暑い、食事はおいしいしおなかは壊さなかった、衣服は夏の服装だが宗教の影響で肌の露出の制限もあった、住居についてはお湯も出るし問題なかった
• イギリスのホームステイでは、食事の予定を事前に確認して用意してもらった、住居についてはホームステイ先の家族の生活を優先させるべきで、配慮しながら暮らした
ブライトン大学短期留学
• 1ヵ月程度で33万程度、JASSO奨学金10万円のサポート有
AIMS短期派遣(カセサート大学)
• カセサート短期派遣は15-20万円程度、JASSO奨学金7万円サポート有
セメスター派遣
• JASSO給付奨学金7万円×5ケ月がもらえる
• 必要な費用:予防接種、航空券、住居費、生活費、旅行費
• マレーシア:半年間でトータル22万円が自己負担
• タイ:毎月住居費2万円+生活費=5万円+旅行等
• フィリピン:毎月家賃1、200~1万円+生活費=1~2万円が毎月の生活費
• インドネシア:お湯シャワーが欲しくて2万円の家賃で、毎月7万円ぐらいの生活で何不自由なく暮らすことができた
• 東南アジアは物価が安いため生活に問題はない
• セメスター派遣ではあまりお金がかからないからオススメ!!
• 人生の生き方は正解・不正解の2択ではなく、色々な背景を持って学んでいる人とふれあって、正解ではなく色々な生き方があるということを学んだ
• もっと自由に生きていいんだなということを感じた、自分自身が色々な価値観などで無意識に締め付けていたんだなということに気付いた、自分のやりたいことに素直に生きていいんだなという意識に変わった
• ちょっとくらい失敗しても大丈夫、その後が大事
• 海外では留年、転学科、大学入り直しも多いし、就職活動が全く違う
• 授業後のフィールド視察に参加し、途上国支援に参加したいと思い、帰国後に有志の国際開発系の勉強会に乗り込んで参加をはじめた
• 海外にいることに対しての考えが変わった、半年は長いと思っていたが半年では足りないと思い、大学院正規留学につながった
• 自分のやりたいことを突き詰めようと思い行動しはじめ、研究者志向だが海外の研究もありえると思い進めているところ
• この会を企画しようと思うようになったことが一番の変化
• 留学を決めた時点で大学院に行く予定はなく、3年後期で自分と向き合わなければいけない時期に海外にいた、留学なんて誰でもしているし、日本という恵まれた環境・状況において半年過ごせる機会を捨ててでも、環境を変えなければいけないかということを考えた上で、自分のしたいことを考えて逆算して海外へ行ってみようという流れがいいのではと思っている
• 留学したい理由なんてどうでもいいし、向こうで何をするかもなんだっていい、「東大生で留学経験」といってもそこで何をしていたかは人によって違う
• 「留学に行った」という事実だけでは就活や就職に役立つことはなく、留学先で感じたこと、経験したトラブルは、自分が重要な岐路に立った時に自分のことを助けてくれる
• 何かここで人生かかっているという決断をしなければいけないときに、留学での経験がプラスに働いてくれると思っている
• 留学に行っていなかったら思いついてすらいないことに思いつくかもしれないと思う
• コロナ禍で厳しい現状ではあるが、将来の選択肢の一つとして留学
• 学科・指導教員の先生と連携を取って進めていくことが重要
• 先を見据えた準備、今できることを考えてほしい
• 大学として、一人ひとり状況が違いそれぞれのケースに合う最適解を探すサポートしたい
RY :「忙しい、コロナなど留学に行かない言い訳はいくらでも作れるが、自分に素直になって「行きたい」という気持ちがあればそれに素直に生きていってほしい.人生変わるよ!」
AH:「こんなに頑張っても無駄になってしまうのではと思うこともあるが、準備をすることで身に着く力は思った以上にあると思うので、そのプロセスも楽しめるといいと思う」
MH:「留学に行ってそれぞれに成長して帰ってくることができたので、この先いつチャンスが来るかわからないがチャンスが来た時にそれを掴めるように準備してほしいと思う」
KF:「在学中の留学も手っ取り早いが、社会に出ていく上で海外に対する興味を持っていてほしいし、この難しい状況でも留学している自分がいるので何かあれば相談してほしい」
MI:「留学で大きな変化だけではなく、後から気づくことやゆっくり感じる変化、小さい変化もいくつもあると思うので、自分の色々な部分が変わるのが留学で、現地で行けたから感じたことも大きい。経験で得られるものがたくさんあるので、行きたいと思ったらサポートをしてくれる人もたくさんいるのであきらめないでほしい」
SK:「自分自身は留学後も目の前のことに取り組んでいるだけだが、変化は実感できていないのが本音。成長しないといけないと思っていく必要はなく、気張らずに向こうに行って「海外生活が向かなかった」という認識をしてもいいと思うので、成長することに囚われずに行ってほしい」
YJ:「行ってみたいと思えば行けばいいと思うし、日本に来て大変なこともあるし達成感もあるから、タイに留学に行きたいと思った。留学を通して次にやりたいことが増えてくると思う。奨学金がもらえるという恵まれている状況においていい機会があればしっかりキャッチしてほしい」
ST:「留学を目的にしてほしくないと思う。自分の10年後を見据えて自分は何がしたいか、何をしたら自分が世の中に貢献できるのかと考えてみて、その手段の人に留学があると良い」
RM:「留学前や社会人になる前には悩みが多いが、その悩みごとの8割は心配する必要もないことで、残りの2割がちゃんと準備をしておけば問題なくクリアできる心配事と言われているので、結論としては何とかなると思う」
A1. 授業で単位を落とさない、授業にしっかり取り組んでGPAを上げる、(3.5以上(せめて3.2)は目指すべき)英語力を身に着けてIELTSもしくはTOEFLのスコアを取っておくことが重要。
A2. - Enの場合は3年後期の単位を取らずとも卒業できるように調整が可能。人文系の科目を2年の後期で履修しなかったため、4年1学期に履修しなければいけなかった。留学先で取った授業が1科目だけ互換できた。基本的にセメスター派遣で取った単位は認定されるが、互換の場合は農工大の科目との調整が必要なため、自由選択科目として考えておくのがいいのでは。
- Rnの場合は、プログラムを取ることができないが、3年後期までに計画的に履修しておけば4年間で卒業できる。帰国後に単位を履修してプログラムを完了させている先輩もいたので可能。
Anの場合は、3年後期は専門科目の開講も少なく単位数的には問題ない。3年の前期に社会系の科目を履修した。社会系は留学を考えていてもいなくても履修タイミングが難しいものもあった。計画的にやれば4年生で履修しなくても行ける。
A3. 教職担当の先生に事前に話をして、すべきことを聞いておいて。そのタイミングで教務に伝えて対応をしてもらうことができた。
A4. 渡航前には必ず研究室見学に行く必要有。研究室の配属人数が決まっておりセレクションが行われる場合もあるが、人気がある研究室を希望した場合も、留学に行っていたから不利になることはなく、志望理由を提出して選抜となるので、留学によって不利になることはない。行きたい研究室がある場合は事前に相談するのが良い。
A5. 普通に頑張っていい成績を取れば認められる。UPMの場合はS6単位、A6単位が認定された。
A6. 親が向こうに遊びに来た時に乗り合いバイクや食事の環境を見て驚いていたので、人によっては衛生環境が悪いという印象になるかもしれない。入院環境も良くなかったので、体の弱さと関係あるかないかはわからない。医療費は節約しないほうがいいことと、体の弱さよりは現地での生活においてしっかり「自分で気を付ける」ことが大事なのでは。
A7. 散髪はできるだけ行きたくなかったが、1度だけ行ってみたが何とかなった。英語が話せれば切ってもらえるが、どんな髪型になるかは保証外。
服は男性の場合は、Tシャツと薄いズボンを4日間分ほど持って行ったが、それを回して5か月間過ごせた。
女性の場合は、髪が伸びても美容院に行かなくとも大丈夫。
服については数枚向こうの伝統衣装を買ったぐらいで、持って行った服で足りた。
授業があるときは襟付きの服×平日5日間分+Tシャツ2枚+ズボン・スカート併せて2・3本。
東南アジアは暑いので夏服で大丈夫。現地は冷房が効いているので上着は必要。羽織るものなどあると便利だが現地調達できる。
A8. 服、お金、勉強道具、電子辞書、パソコン、先輩からの資料に全部書いてあるので、それを確認するのが役に立つ。
A9. インドネシアでは危険なところは現地コーディネータやバディに聞いて避ければ、現地での一人行動をしていた。
フィリピンでは場所を選ぶのと時間を考えたほうがいい。夜7時を過ぎたら一人では外へ行かないようにしていた。太陽が昇っている時間なら大丈夫だった。
イギリスは東南アジアに比べたら治安はいいが、サッカーの試合がある日などはお酒飲んで暴れる人などがいるから、夜は一人で出歩かないほうがいい。
A10. 基本的には現地大学側が寮を提供してくれるので、そこに行くか、現地でバディの友人に見つけてもらってアパートの内見をして引っ越した。治安などの問題もあり留学生が多いアパートを選ぶようにした。
A11. 大学のゲストハウスを提供してもらい、ホテルのようなところに泊まった。
バンコクのメインキャンパスの時はきれいなホテルで地方の場合、きれいさは若干劣るが宿泊施設を提供してもらった。
A12. 自分の行きたいところを自分で決める。どこかの大学に偏った場合は人数調整が行われる可能性もある。
A13. マレーシアプトラ大学の一例だが、環境学科に入っていたが、そこでは排水処理の授業や、上水道のきれいな水を作り出すための授業や、微生物を使って汚染物を分解するバイオレメディエーションの授業、化学物質が拡散した時のhealth risk assessmentの授業などを受講していた。実験2つ、フィールドワーク1つ、座学1つを受講。
フィリピン大学ロスバニョス校では、林学部で菌類分類学、アグロフォレストリー、林業全般と林学の授業など地シス寄りの内容の授業を履修。
A14. AIMSに行った場合は、帰国後の2月3月に時間があるので、その間に就職や将来のことを考える時間があるので、そこで就活イベントに参加することができる。進学する場合は4年生前期の準備で間に合うと思うが、他大学や海外の大学院に進学する場合は帰国後すぐに準備をする必要がある。
A15. どのレベルの留学をしたいかによる。語学留学の機会は多くあると思うが、何をしたいかによるし、国家公務員など働いてからも留学するチャンスはあるので、色々な方法でできると思う。留学したいから大学院に進むという進路もあり得るのでは。
A16. 短期留学だと大学同士の連携があるため、その信頼関係に基づいて普通の人が入れない研究施設や実験室に入れることが大きい。海外旅行では見せてもらえないところを見せてもらえる。及び単位と奨学金が出る。
A17. 幅広いプログラムのため、中に含む分野は色々なものがある。現在勉強しているものと学部時代の勉強していた内容は異なっているのだが、現在は農業経済学というメジャーを変えている。学部までやっていたことを通してもっと学びたいことを見つけたので、海外に行く際にプログラムの中で内容を変えて勉強をするのも選択肢。
A18. 大学の留学プログラムを使う場合は、半年は準備の時間はかかると思っておいた方がいい。また募集がかけられた時点で何か武器があるのは強いと思うので、募集がかかってから準備の時間、プラスその前の準備の時間はあったほうがいいと思う。特にGPAや英語の準備は早いうちから準備しておいた方がいい。
A19. 不安しかなかったし、やっぱりやめようか等と思い行きたくなかった。そういうときにどうするかというと、スーツケース用意してビザ取れて、やれることはやってあったので、その上で不安だったら、自分をほめてあげる。「一人で頑張ってマレーシア行こうとしているだけで偉いよ」と思うだけで和らぐ。その国に行った先輩に話を聞く。行く前の治安や持って行った方がいいものなど、前の年に行った先輩にひたすら聞く。
A20. 購入はしていない。ただ、発音が日本のカタカナ英語と違うということに気付かずに留学してしまったので、化学物質の名前が全然違うということを日本にいる間に気付いておくといいと思う。実際に現地で取る授業については言ってみないとわからないので、その下調べもどの程度できるかどうか疑問だが。
A21. 学部時代に行きたいなら、ちゃんと履修要綱をしっかり読んでいけるかどうか自分で調べるしかないと思う。留年や休学してもいいというなら問題ないと思うが、留年したくないのであれば、きちんと確認して時間配分を考えることが重要。
A22. 国際農学専攻の場合は、もともと国際系の先生の所に行きたいと思って、その先生のところに配属されてから留学に行っているので、研究室選びに留学が直接関与しているわけではないが、留学に行ったからこそ今の研究室の半分ぐらいが留学生という環境でも物おじせずに活動ができているのかなと感じている。
研究室関連については、研究室に配属される際にセメスター派遣を考えていることを予め先生に伝えて相談しておくことは重要。
MH(An→国際イノベーション農学コース)
AIMS短期派遣(カセサート)、イギリス ブライトン派遣、フィリピン大学ロスバニョス校に交換留学
MI(An→卓越大学院)
AIMS短期派遣(カセサート)派遣、インドネシア・ボゴール農科大学に交換留学
RY(En→生物システム応用科学府)
EDGEプログラム台湾研修、マレーシアプトラ大学に交換留学
AH(En→農学府)
Buddy Clubリーダー、フィリピン大学ロスバニョス校に交換留学、Hult Prize、 DDP(ダブルディグリープログラム)
KF(Rn→台湾大学大学院)
タイ・カセサート大学に交換留学、国立台湾大学大学院に進学
ST(Rn→農学府食農情報工学コース)
GPP、Buddy Club、 インドネシア・ガジャマダ大学に交換留学
SK(An→農学専攻生物生産科学コース)
インドネシア・ガジャマダ大学に交換留学
YJ(Rn)
タイ・カセサート大学に交換留学(第3国留学)、休学、復学
RM(Rn)
マレーシア・マーラ工科大学に交換留学、フリーランス契約社会人