2026-07-8~9 Workshop
M2の横島君・崎向君・田中君と東北大学金属材料研究所にて第8回固体化学フォーラムに参加し研究成果の発表を行いました。
原口の研究プロジェクトが科学研究費助成事業 2026年度 挑戦的研究(萌芽)に採択されました
令和6年度卒業生の北村君の修士論文研究として行われたブリージングパイロクロア磁性体に関する研究成果がPhysical Review Bに掲載されました。
原口の研究プロジェクトが第42回(2026年度)公益財団法人 村田学術振興・教育財団 研究助成に採択されました
イルメナイト型イリジウム酸化物のRIXSに関する研究成果がPhysical Review Bに掲載されました(東北大学 学際科学フロンティア研究所との共同研究)。
令和7年度卒業生の青木君の卒業研究として行われた新物質クロム杉石の合成に関する論文がChemistry Lettersに掲載されました。
原口単著のトリリウム格子磁性体に関する研究成果がJournal of the Physical Society of Japanに掲載されました。
研究室ウェブサイトを公開しました。研究室見学や共同研究のご相談はメールにてご連絡ください。
私たちの研究室は、量子磁性・超伝導・強相関電子物性といった最前線の機能を生み出す「未来材料」を、熱力学的な最安定相(平衡相)ではなく、速度論によって長寿命化する準安定相に狙いを定めて創製しています。近年、マテリアル・インフォマティクスの進展により、第一原理計算や機械学習を用いて「どの温度・組成でどの相が熱力学的に安定か」を事前に予測し、合成指針とする流れが一般化しつつあります。しかし、エネルギー凸包(convex hull)近傍には、最安定相との差がわずか数 kJ mol⁻¹程度の多型や競合相が数多く潜み、これらは速度論的障壁により“準安定相”として実現・保持され得ます。準安定相は、平衡相では解消されてしまう局所歪みや特異な配位環境、非自明な電子状態を凍結できるため、格子対称性・バンド構造・相互作用の様式が安定相とは本質的に異なり、量子磁性、超巨大保磁力、非従来超伝導などの想定外の量子機能が発現する「未知物性の宝庫」です。
この未踏領域を切り拓くために、私たちは低温プロセスを中核とした“反応設計”に挑戦しています。固相メタセシス反応、トポケミカル反応、水熱反応、メカノケミカル反応など、非平衡条件下で反応経路と拡散・転位を精密に制御できる合成手法を駆使し、温度・圧力・組成に加えて、副生成物の除去や化学ポテンシャルの調整といった反応場そのものを設計します。これにより、エネルギー地形に存在する浅い局所極小へ結晶を“凍結”させ、熱力学の支配する平衡相では到達できない構造を選択的に実現する新しい合成学の確立を目指します。
有機合成が多段階反応を通じて複雑分子を設計するように、私たちは無機固体において、数百万個の原子配置を反応経路から設計する「結晶合成の新しいパラダイム」を構築します。準安定相という非平衡のフロンティアを、計算と実験の統合によって系統的に探索し、物質科学の未踏領域を切り拓くことが本研究の学術的価値であり、同時に次世代の量子機能材料創製へ直結する基盤になると考えています。
副生成物の化学ポテンシャルを制御し、未知の準安定相新物質を設計・合成
イオン交換により既存物質を変換し、新たな量子磁性体や超伝導体を自在に創出
天然鉱物の結晶構造を利用し、スピン液体やスキルミオン相など未踏量子磁性を開拓
合成・雰囲気制御・構造解析・熱分析・計算まで、準安定相探索に必要な装置群を整備しています。
化学量論を正確に決めるための秤量装置です。
固相反応や溶液反応では、出発原料の組成比が生成相や副生成物の量に大きく影響します。本装置を用いて原料を正確に秤量し、再現性の高い合成条件の設定に役立てています。
微量試薬を高精度に秤量するための天秤です。
10 μgレベルの秤量に対応し、微量試料や高価な試薬を用いる実験で精密な質量管理を行います。除振台によって外部振動の影響を抑え、組成制御や物性測定用試料の秤量精度を高めます。
原料を均一に混合・粉砕する基本ツールです。
原料粉末を均一に混合し、反応前の粒径や接触状態を整えるために使用します。瑪瑙製の乳鉢は金属不純物の混入を抑えやすく、微量不純物が問題となる磁性体・電子材料の合成に適しています。
混合・粉砕を自動化し、作業者差を減らします。
粉砕と混合を一定条件で自動的に行い、手作業によるばらつきを低減します。多数の合成条件を比較する際に、粉砕時間や混合状態をそろえることで、生成相の違いを反応条件の違いとして評価しやすくします。
粉末をペレット化して固相反応を進めやすくします。
混合した粉末をペレット状に成形し、固相反応における粒子間接触を改善します。反応界面の増加や拡散距離の制御により、相純度の向上、未反応原料の低減、焼成条件の最適化に利用します。
低酸素・低水分環境で試料を取り扱う装置です。
酸素や水分に敏感な原料・生成物を、不活性雰囲気中で秤量、混合、封入、保管するために使用します。低温トポケミカル反応や硫化物・ハロゲン化物の合成では、空気中での酸化や加水分解を避けることが重要です。
石英カプセル封入などを真空・制御雰囲気で行います。
石英管やガラス管を真空封入し、酸化・揮発・吸湿を抑えた反応場を作ります。揮発性成分を含む固相反応、硫化物・テルル化物の合成、または封管内での熱処理に使用します。
溶媒の濃縮・除去を効率よく行います。
溶液から溶媒を穏やかに除去し、前駆体の濃縮、洗浄後の溶媒除去、再結晶操作などに使用します。溶液プロセスを経由する合成では、乾燥条件や濃縮速度が粒子形状や反応性に影響するため、条件をそろえた処理が重要です。
固相反応の標準装置。温度履歴で生成相を制御します。
酸化物、硫化物、複合酸化物などの焼成・アニールに使用する標準的な加熱装置です。温度、保持時間、昇降温速度を調整することで、生成相、結晶性、酸素量、粒径などを制御します。
安定した温度場で焼成・アニールを行います。
比較的大きな試料量の焼成や、複数試料の同時熱処理に適した炉です。安定した温度場での処理により、相純度の改善、前駆体の合成、後アニールによる結晶性向上に用います。
日常的な焼成・熱処理に使用します。
日常的な固相反応、予備焼成、再焼成、アニールに使用します。複数の温度条件を反復して検討することで、目的相が生成する温度領域や副生成物が出る条件を絞り込みます。
雰囲気や温度プロファイルを工夫しやすい管状炉です。
管状の反応空間を利用して、封管反応や流通雰囲気での加熱処理を行います。試料位置、温度勾配、ガス雰囲気などを工夫しやすく、通常のボックス炉では設定しにくい反応場の設計に用います。
温度勾配を作り、CVTなどの単結晶育成に使います。
2つの温度領域を独立に制御し、炉内に意図的な温度勾配を作ることができます。化学気相輸送法、揮発成分を利用した結晶成長、温度差を利用する反応条件の探索に使用します。
温度勾配を制御した加熱処理に用いる装置です。
2つの加熱ゾーンを独立に制御しながら、試料の状態を外部から観察しやすい構造を持つ電気炉です。温度勾配下での結晶成長、融解・再結晶過程の確認、反応中の試料変化の観察に活用します。
高温焼成が可能で、難反応系にも対応します。
1550℃程度までの高温焼成に対応し、通常の電気炉では反応が進みにくい高融点系や高温安定相の合成に使用します。高温での相形成、固溶体化、結晶性向上を目的とした熱処理に適しています。
1450℃までの高温域で焼成・アニールに使います。
1450℃程度までの高温域で、酸化物や複合無機材料の焼成を行います。高温処理が必要な前駆体合成、相純度改善、粒成長の制御に使用し、低温反応の出発物質作製にも役立てます。
安定した温度環境で単結晶育成を行うための装置です。
単結晶育成では、温度安定性に加えて外部振動の低減が結晶品質に影響します。本装置では除振台によって振動を抑え、成長界面を安定させながら、構造解析や異方的物性測定に適した単結晶試料の作製を目指します。
熱水中で結晶化を進め、固相法では得にくい相を探索します。
密閉容器内の熱水環境を利用し、比較的低温で結晶化を進める装置です。水酸化物、層状化合物、鉱物類似化合物など、通常の固相反応では得にくい相や形態の試料を探索します。
均一な温度場で加熱し、反応の再現性を支えます。
一定温度で試料を長時間保持し、水熱反応、溶液反応、乾燥、前処理などを再現性よく行います。温度のばらつきを抑えることで、結晶成長速度、沈殿生成、イオン交換反応の進行を比較しやすくします。
高温下で攪拌し、濃度勾配や成長条件を制御します。
加熱しながら溶液や懸濁液を攪拌し、濃度むらや局所的な沈殿を抑えます。pH制御、沈殿反応、前駆体合成、水熱合成前の溶液調製などで、反応場を均一に保つために使用します。
高温・高圧条件下で水熱合成を行うための装置です。
最大300 MPa、800 °Cの高温高圧水熱条件に対応し、通常の水熱合成よりも高い反応性を持つ環境を作ります。難溶性原料の反応促進、高圧下で安定化する結晶相の探索、鉱物生成に近い条件での新規相合成に使用します。
結晶とフラックス(溶媒)を分離し、回収を効率化します。
反応後の結晶、沈殿、フラックス、母液を効率よく分離するために使用します。微細な結晶や少量試料の回収率を高め、洗浄工程での試料損失を抑えることで、後続の構造解析や物性測定につなげます。
機械的エネルギーで粉砕・反応を進めます。
強い機械的エネルギーを加えることで、原料粉末の微粉砕、均一混合、メカノケミカル反応を進めます。通常の加熱だけでは反応が遅い系や、低温で準安定相を得たい系において、反応開始条件を下げる手段として用います。
相同定・結晶性評価の中核装置です。
粉末試料の回折パターンから、生成相の同定、相純度、結晶性、格子定数の変化を評価します。合成後の最初の評価手段として用い、目的相が得られているか、副生成物が残っているか、次に変えるべき合成条件は何かを判断します。
空気不安定試料を不活性雰囲気でXRD測定します。
空気中で変質しやすい試料を、不活性雰囲気に保ったまま粉末X線回折測定へ導入するための部品です。酸化、加水分解、脱水などによる構造変化を避け、合成直後の相情報をできるだけ正確に取得します。
元素組成を非破壊で評価するための装置です。
試料に含まれる元素を非破壊で分析し、合成物の元素比や不純物元素の有無を確認します。微量粉末試料のスクリーニングにも使用し、目的組成からのずれ、揮発・溶出・残留塩の影響を評価します。
相転移や反応の熱効果を測定します。
昇温・降温中に試料が吸収または放出する熱量を測定し、相転移、融解、結晶化、反応開始温度を調べます。準安定相の安定性評価や、熱処理条件を決めるための基礎情報を得る目的で使用します。
重量変化と熱効果を同時に追跡します。
加熱中の重量変化と熱効果を同時に測定し、脱水、脱離、分解、酸化還元、反応進行を解析します。水和物、炭酸塩、硝酸塩、層間分子を含む試料では、どの温度で何が失われるかを判断するために重要です。
第一原理計算で安定性・反応・電子状態を評価します。
第一原理計算や構造モデルの検討に用い、電子状態、磁気相互作用、構造安定性、反応前後のエネルギー差を評価します。実験結果の解釈だけでなく、次に狙うべき組成や反応経路を考えるための補助として活用します。
M2の横島君・崎向君・田中君と東北大学金属材料研究所にて第8回固体化学フォーラムに参加し研究成果の発表を行いました。
廣井先生を囲む会に参加しました。廣井先生のご退職を機に、廣井研OBをはじめ多くの関係者が集い、これまでの歩みを振り返る温かな会となりました。
原口が学術変革領域(B)「マルチ層配列」領域会議@横浜国立大学で講演。
原口がさきがけ「未来材料」領域会議@ホテルメルパルク広島で講演。
東京理科大学の片山司先生が研究室を訪問しました。
M2の横島君と崎向君とSPring-8で放射光X線回折実験を行いました。
農工大の25年度の卒業式がありました。香取研の吉良さん、千野根さん、渡邉さん、青木さん、奥村さん、手島さんが新天地へ。
東京大学物性研究所で特任研究員として研究に従事していた当時、ご指導を賜った廣井善二先生の退職記念講演に参加しました。
〒184-8588
東京都小金井市中町 2-24-16
東京農工大学 工学部 4号館 519B号室
TEL: 042-388-7209
E-mail: chiyuya3@go.tuat.ac.jp