研究室で行われている研究の概要 (2013)

 沖縄におけるエアロゾルの粒径別分析
沖縄辺戸岬で大気エアロゾルをPM10, PM2.5, PM1, PM0.5, PM0.1に粒径別に捕集できるサンプラーを用いてエアロゾルを捕集し、粒径ごとの特徴や季節による変化、発生源の推定などを行う。
 中国との共同観測による中国〜沖縄間のエアロゾル・大気汚染物質の輸送と変質の解析
中国山東省と沖縄辺戸岬で測定したエアロゾルの化学成分(金属成分、イオン成分、PAHsなど)を比較解析し、輸送プロセス、輸送途上における化学反応プロセスについて解析する。
 沖縄の気塊に含まれる過酸化物の計測
ミストチャンバーによる捕集と高速液体クロマトグラフを用いた大気中の過酸化物の測定を沖縄で行い、大陸から輸送されてくる気塊の中で起こっている光化学反応のプロセスを解析する。(沖縄で得られている他の様々なデータも利用する)。
 東アジアから輸送されるエアロゾル中の炭素成分の変動
沖縄辺戸岬でEC/OC分析計を用いて通年測定されているエアロゾル中の炭素成分の変化と、同地で測定されている種々のデータを用い、中国のデータも利用して海を越えて輸送される炭素成分の変化を解析する。
 東アジアから輸送されるエアロゾル中のN成分の変動
沖縄辺戸岬でエアロゾル質量分析計を用いて通年測定されているエアロゾル化学成分中のナイトレート(PM1)とナイトレートモニターによるナイトレート(PM10)の変化と、同地で大阪府立大学が測っているNOy、環境省が測っているNOxのデータを用い、中国のデータも利用して海を越えて輸送される窒素成分の変化を解析する。
 中国における大気汚染物質の経年変化の解析
これまで中国で行われた多くの観測のデータ比較検討して中国で起こっている大気環境の経年的な変化の解析。
 東アジア地域における大気汚染物質の経年変化の解析
LTP(北東アジアにおける長距離越境大気汚染に関するワーキンググループ)で報告されている日中韓3カ国の地上観測データ(約10年分)を用いた北東アジアにおける大気環境の変動の解析。
 イオンクロマトとミストチャンバーを用いたガス状硝酸の測定
大気中のガス状硝酸をミストチャンバーによって捕集し、イオンクロマトによって分析する。イオンクロを立ち上げ、まずは府中やFM多摩丘陵においてデータを取得し、解析を行う。粒径別エアロゾルサンプラーを用いたエアロゾルの捕集と分析も合わせてガス→粒子のプロセスを解析する。
福江島における大気中のPAH、エアロゾルイオン成分、エアロゾル金属成分の観測
長崎県福江島において、東アジアから輸送されてくる大気汚染物質中のエアロゾルを捕集し、その中に含まれているPAH(多環芳香族化合物)やエアロゾルのイオン成分、金属成分を測定し、長距離越境大気汚染の解明、発生源の推定を行う。
 沖縄における大気中のPAHや長鎖脂肪酸、アルカンなどの観測
沖縄辺戸岬においてエアロゾルのサンプリングをし、得られたサンプルの中の有機化学物、特にPAH(多環芳香族化合物)や長鎖の脂肪族炭化水素などを測定しエアロゾルの起源を推定する。