研究トピックス
研究トピックス
Tribology & MEMS Laboratory
指とプレートの間の摩擦を測定する装置を開発しました。スライドガイドのテーブルにプレートが固定され、テーブルには滑車を介して重りがつながっています。指をプレートに押し当て、指とプレートとの間に作用する摩擦力で、テーブルを横方向に移動させ、重りを持ち上げます。テーブルの移動距離が長くなるほど、持ち上がる重りの数が増えるようになっていて、指とプレートの間の摩擦力は、持ち上がった重りの数から分かります。
最大の押しつけ力を制限する機構がポイントで、押しつける力が大きくなると摩擦力が大きくなるので、押しつける力が強い人ほど摩擦力も高くなってしまいます。それを避けるために、垂直方向に変位するばねで、スライドガイドを支え、押しつけ力が大きくなると、リミットスイッチが動作し、重りが外れるようになっています。したがって、出来るだけ多くの重りを持ち上げようとしたときの押しつけ力は同じになります。その結果、指とプレートの摩擦係数を測定することができます。
摩擦係数を測定するだけであれば、金属の歪みを測定する方法もありますが、付属の装置が少なくなるように、また原理が分かるようにと考え、この構造を考案しました。当初考えていなかった効果として、 力を入れすぎて電磁石が外れたときに、ガクッとテーブルが滑ってしまい、その瞬間に微妙な喪失感を体験できます。
テフロンのプレートを用いたときに、一般的な傾向として、子供は手がしっとりとしていて、また皮脂分が少ないためか、摩擦係数が高くなる傾向にあるようです。
08/07/14
手指の摩擦測定(一般・大学生向き)
手指の摩擦測定装置を使って子供が遊んでいる様子(上)と摩擦測定装置の構造。 装置の制作と実演に際しては、当時の産総研のトライボロジー研究グループに研修生として在籍していたものつくり大学の合田さん、及びトライボロジーグループ職員の協力を頂きました。同じ構造の2号機が産総研にもあります。
摩擦測定の様子(動画)
摩擦測定装置の構造(原理図)