渡邊研究室では、ミクロなレベルから高分子を設計し、ミクロからマクロまで様々な機能を発現する材料の研究を行なっています。
 その一例として、紫外光を照射して屈曲するゲルを作成し、分子構造を考えることで1sec. という短い時間で応答する設計を可能としました。現在はこのゲルに関する研究を始め、分子認識材料の設計等も行なっております。

Case1:モノマー構造におけるゲルの力学特性調査
 ゲルはポリマーの網目構造により液体を保持する設計になっている。こんにゃくやゼリーもゲルの一種である。特性上、様々な分野において応用が期待されているが、力学強度が弱いという欠点を持っている。そこで、力学強度の高いゲルの開発が盛んに行われている。
 渡邊研究室では、網目構造が力学強度に及ぼす影響に着眼し、剛直なオリゴマーで作成されたゲルでは欠陥が少なく力学強度の高いゲルが得られることをシミュレーションから見出しました。現在、実際に力学強度の高いゲルを得られる事ができるかどうかを調査しています。

Case2:分子認識能を持つポリマー
 生体分子の多くは特定の分子に対する「分子認識機能」を有しており、その高い特異性を活かした機能性材料の開発が盛んに行われています。渡邊研究室では2,4-diamino-s-triazinyl(DAT)基を持つ分子を用いることで、分子認識能を持つポリマー材料の合成を行なっています。この材料を合成することで溶液内から特定物質を選択的に取り出す事や、分子認識による強力な接着剤への応用が期待されています。