◎ 日本型テニュアトラックに関するシンポジウム・総合評価委員会を開催
 2006年度文部科学省 科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進プログラム」に採択されたことにともない、2月22日(木)科学技術振興機構地下1階ホールにおいて「日本型テニュアトラックに関するシンポジウム」を開催しました。
 本プログラムは、若手研究者が自立して研究できる環境の整備を促進するため、テニュアトラック制(若手研究者が、厳格な審査を経て安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者としての経験を積むことができる制度)に基づき、若手研究者に競争的環境の中で自立性と活躍の機会を与える仕組みの導入を図るものです。
 当日は、小畑秀文学長の開会挨拶、来賓の森口泰孝文部科学省科学技術・学術政策局長の挨拶の後、本学を含め、プログラムが採択された東北大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、北陸先端科学技術大学院大学の各担当理事・部局長から、テニュアトラックプログラムについて力を入れているポイントなどや、取り組み状況について報告されました。コメンテーターの山脇良雄文部科学省基盤政策課長からは、「振興調整費終了後の各機関におけるテニュアトラックプログラムの継続性」「テニュアに採択されなかった若手研究者への対応」「若手研究者の自立が孤立にならないような支援」などについて講評をいただきました。
 続いて、会場から集められた質問の中からテーマを設定して、パネルディスカッションが行われました。小畑学長がコーディネーター、採択大学担当理事・部局長らがパネラーとなり、実施大学らしい等身大の意見が交わされ、また「他の競争的資金とのエフォート管理」や「テニュア審査時の基準」などについても討論され、活発な意見交換が行われました。
 会場には、大学関係者、文部科学省、JST、新聞社等多方面より130名を超える参加があり、日本に新しく導入される人事システムについての関心の高さを伺うことができました。
 
 翌日の23日(金)は、本学本部棟にて、本学の若手研究者の自立的研究環境整備促進プログラムの研究活動状況及びプログラムの進捗状況に関する点検・評価を通じて採択大学との意見交換を行う総合評価委員会を開催しました。
 本委員会は、三輪東京農業大学総合研究所教授を委員長に、本学をはじめとする採択大学等の理事・部局長により組織されています。「若手人材育成拠点の設置と人事制度改革構想」、「若手研究者の国際公募と選考」などについて本学より説明が行われた後、今後の制度設計などについての活発な意見が交わされ、日本型テニュアトラック制度のあり方について、検討や情報交換できる有効な場となりました。