インターネットでの情報の探し方。

<Oct 2002> liu

【始めに】

ホームページのコンテンツを増強することを目的とした月一持ち回り企画が予想外に続いて僕の所まで回ってきました。今までの人はまともな内容でしたが、僕はたいした内容のものは書けないので、コンピュータに関連した誰でも書ける適当な内容の文章を書くことにします。

ここ数年でのインターネットの普及はめざましく、それに伴い様々な情報がWeb上にさまざまな情報があふれ、増加しています。しかし無数に存在する情報のうち、必要とする情報はほとんど無いといえます。そのためWeb上で必要とする情報を見つけるためには、もの探しをうまくすることが重要です。ここではインターネット上での情報検索方法を簡単に説明します。

【図書館とインターネット】

ところでコンピュータを使用したWeb上での情報検索の根本は、特に目新しいやり方があるわけではなく、図書館で必要とする情報を探すときと同じで上手な検索者が備えるべき能力は単純なものです。つまり必要なものは、知識と探そうとする情報に関する多少の情報、そしてちょっとしたコツです。

まず始めに図書館での捜し物についての例を示します。僕が大学に入学した頃デフォルトと言う言葉を頻繁に耳にし、当時知っていた債務不履行という一般的に使われる経済用語と実際の用法から推測される元のままでというニュアンスとあわないため、図書館でその意味を調べたことがあります。しかしコンピュータ系の用語集には載っておらず、いくつかの辞書にも不履行や怠慢といった意味しか見つけられ無かったため、最終結論としてデフォルトの意味を、最初から不履行な状態つまり最初から終わっている状態だと解釈してその後の約1年間を過ごしました。以上の例からわかることは、調べる場所を間違えれば物事は見つけられない、つまりものを調べるにも最低限の知識と情報が必要ということです。なお、コツに関しては図書館情報学を体系的に学んでいないので、説明できるほど知識を持ち合わせていません。

【インターネット】

さて、本題のインターネット上での検索も、図書館での情報検索と同様に知識と情報が成功率を左右します。ここで知識に関しては一朝一夕に何とか成るものではないので、情報検索をうまくするためには必然的に情報量を増やすことになります。情報を探すために情報が必要とは一見奇妙ですが、図書館と同様に探すものがどこにあるかわからなければ探しようがありませんから、どこに情報があるかを知るためにも情報が必要になります。ではインターネットを用いて情報検索をする際にどのように情報を得ればいいのでしょうか。

検索エンジン

まず始めにほしい情報の内容がよくわからない場合は、インターネットでの検索において最も図書館での検索に比べてメリットがあるといえる、google(http://www.google.co.jp/)などの検索エンジンを用いると効果的です。

例えば、チャールズ・チャップリンのキッドという映画にでてくる子役の名前を知りたい場合、「キッド」と入力してみましょう。20万近くのページが検索結果に出ましましたが、これでは探すことができないので「キッド 映画」と絞り込みを行うと、5万件になり、キッドという別の映画があるという情報がわかりました(図1)。映画で検索すると良くないとわかったので、より直接的に「キッド チャップリン」で検索するとヒット件数が2千件となり、子役の名前がジャッキー・クーガンであるとわかりました。

次にもう少し別なものを検索してみましょう。同じく映画のハルを取った監督の名前を調べてみます。「映画 ハル」と入れると5万件がヒットしました。さて、ここで問題となるのが探したいハルには深津絵里は出て来ないという点です。「映画 ハル –深津絵里」と入れたくない単語の前に-をつければ、その単語があるページを本来ならば除いて検索してくれます。ところが検索で引っかかったページには、深津絵里という単語がほとんど含まれてしまっています。さっき本来ならばとつけたのも、この機能が全く使えない機能だからです。最近はgoo(http://www.goo.ne.jp/)など他の検索エンジンも含めて、いらない単語を含んだページを除外する機能は、存在するだけだと考えた方がいいです。

ところで上で検索したかったハルという映画の監督ですが検索する方法はないのでしょうか。単語を除外する機能を使えないことがわかっているので、関連ありそうなキーワードとしていろいろなキーワードを追加していくと、「ハル 映画 8ミリ」とすれば検索できることがわかりました。8ミリという言葉を思いつかずに自主制作などといったキーワードで絞り込んだために、目当ての情報を得るには30分近く掛かってしまいました。有名なハルという別の映画がなければ情報量が少なくもっと簡単に長屋美保という監督名を検索することができたはずですので、このことからも図書館での情報検索との類似性がいえます。

ここまでは数多くの検索結果を絞り込んで探す方法を書きましたが、逆にうまく目的のものが見つけられない場合どうしたらいいでしょうか。例えば「簡単に作れる夕食の献立」と文章で入力すると当てはまるページがありませんが、「簡単 作れる 夕食 献立」と入力するキーワードを文章ではなく単語で入力すると検索結果を得やすくなります。また百人一首の「名にしおはば」で始まる歌を検索したい場合キーワードに「名にしおはば」と入れて検索すると思います。ところがホームーページを作る人により「名にしおわば」や「なにしをはば」など書き方が異なることが考えられますので、それぞれ考え得る表記方法で検索すると今まで見つけることができなかったサイトを見つけることができるようになります。(表1)

 またあまりにも一般的なキーワードを入れると、たとえいくつか単語を入れて調べていてもあまりにも膨大な数になってしまうので、できれば入力する単語の一つには一般性の少ない単語を用いることで、検索結果が膨大になることはないと思います。個人的な感覚としてはロボット型の検索結果でヒット数が千を超えた場合にはリンク先を探す気が起こらなくなるので、別の単語を追加してさらに探すことにしています。

以上のように検索エンジンを用いると、目的とする情報の知識をほとんど持っていない場合でもその情報の周辺部までは簡単にたどり着くことができます。

リンク集

次にほしい情報の内容がわかっている場合は、リンク集(例:http://www.tuat.ac.jp/~tuatmcc/link.html)に頼るのが楽です。ここで言うリンク集とは、yahoo(http://www.tuat.ac.jp)のトップページからたどれるリンクから、個人が作ったページにあるリンクのページまで様々な物を含めます。個人が作った趣味の要素が強いサイトにはたいていリンクページが存在しますし、個人が作ったホームページでは傾向の似通ったページ同士がリンクされている率が高いです。そのため自分の見たいジャンルのページを見つけた場合、リンクページを次々にたどっていくことで検索エンジンを使って探さなくても自分の見たいジャンルのページを見ることができますし、検索エンジンのように見たい物と全く異なったページに行くことが少なくなります。

ただリンク集を用いる際に注意することが一つあります。それは似たような情報を扱っているにもかかわらず、いくつかのコミュニティーが自然と別個に成立しておりコミュニティー同士のつながりが全くない場合が存在することです。この場合リンクでたどれる情報以上に数多くの情報が存在しますので、根気よく探してください。

またリンクをたどって目的とする情報を探す方法には、ほしい情報がわかっている場合だけでなくどのように目的の情報を探したらいいのかわからない場合にメリットがあります。なぜならgoogleなどの検索エンジンを用いて情報を探そうとすると、少なくとも探そうとする情報に関連した言葉を知っている必要があるからです。さらに言うと、仮に探そうとする言葉を知っていた場合でも、出てくる検索結果がたいてい数多く出てきてしまうのでその中からどのページに目的とする情報があるのかを、いちいち自ら選別しほしい情報にたどり着かなくては行けません。それに対してリンクをたどっていく方法では、リンク先に関してたいていは言及がありますから検索を行うよりも簡単に行きたいところへと行くことができます。

またyahooの検索ページは主にディレクトリ検索エンジンとなっているため、キーワードを入力することでyahooのトップページからリンクをたどっていけるところを結果として得ることができます。例えばロボット型の検索エンジンであるgoogleと比較してみましょう。検索文字として「東京 ラーメン」を使うとgoogleでは185,000件あるのに対してyahooでは23件になりしかも地域ごとの結果が出ているので、お店や有名な物を探そうとするときはgoogleを使って漠然と検索するよりもyahooなどのディレクトリ型の検索エンジンを用いて検索を行った方が楽に情報を得ることができます。

ここまでリンクに関して書いてきて、多少疑問を持った人もいるのではないでしょうか。なぜならリンクを使えば簡単にほしい情報を得ることができると書いておきながら、どのようにそのリンクまでたどり着けばいいのかを書いていないからです。

ではどうしたらリンクにたどり着けるでしょうか。一つは検索エンジンを使うことですが、検索エンジンを使えないからリンク集を使いたい人には論外です。もっとましなリンク集への行き方は、人に教えてもらうか、ブックマークを使う方法です。近くの人に適当にどこのページがいいか教えてもらうか、自分で登録したブックマークを使いましょう、きっといくつか情報を教えてもらうことができるはずです。

以上のように検索エンジンとリンク集の特徴を述べてきましたが、実際にどちらを使って情報を探すかは求める情報の持つ性質やどのような情報結果がほしいのかによって異なってきますの

で、時と場合によって検索方法を変えることが肝要となります(表2)。

 項目  ロボット型検索エンジン   ディレクトリ型検索エンジン   リンク集
 探せる数  多い  それなりに  少ない
 探しやすさ  やや難しい  ある程度簡単  簡単
 情報の関連性  小/中  中  大
 有名な物  場合による  向いている  場合による 
 一般性のある物   あまり向いていない  向いている  場合による
 有名ではない物  向いている  向いていない  場合による

表2 検索エンジンとリンク集での特徴

【検索場所】

検索エンジンとリンク集を用いる方法で探しても全く見つからない場合は、あなたの求める情報がインターネット上に存在しないことが考えられます。おそらくネット上には求める情報はありませんから、図書館に行って調べるなりしてください。例えば学術的な内容や情報の入手に多くのお金が必要な物あるいはその情報に関心を持つ人間がほとんどいない分野の物など、インターネット上に存在しない情報は無数にありますので、探すところを間違えないことが重要です。

もしあなたが得たかった情報が学術的でもお金が絡む情報でもないときは、あなたが得た情報を使用して新たにホームページを立ち上げれば、同じような情報をほしがっていた人たちが来るようになるのでインターネット上で探すことのできる情報がまた一つ増えることになります。

また、検索場所ではなく検索に用いる言語も重要です。例えばgoogleを用いて「VPN」という単語を英語で検索した場合230万件ヒットしますが、日本語で検索した場合10万件しかヒットしません。このようにインターネット上でのことに限りませんが、コンピュータなどの技術文章など日本語では存在しない情報も数多く存在しまから、技術的な情報を探すときには英語を用いて検索することも必要になってきます。また技術的なことだけに限らずとも、外国の文化の情報などで日本人がそれほど関心を持たない物や日本での広まり方が変わった言葉を探すときには英語で調べるといいです。例としてgoogleの日本語検索で「goth」や「ゴス」と探すとゴスペルなどが主に引っかかってきますし、仮に「ゴス オカルト」と入れて検索してもたった166件しかヒットしないので、日本が発祥ではない文化について調べたい場合、しかたなく英語のページを調べていろいろな情報を手に入れる必要があります。ですから日本語で調べていて情報が全くない時には諦めずに英語で調べれば、思ってもいなかったような面白い情報を得られる場合があります。

【終わりに】

以上のように、インターネット上でのサーチエンジンやリンク集を用いて探す最低限の事柄を書きました。実際に情報を探す際には今まで書いたような方法ではなく、サーチエンジンで大まかな情報をつかみ、さらにその情報を元に検索を繰り返してほしい情報を扱っているページに行き、そこからさらにリンクをたどって様々な情報を集まるという手法が効率よいと思います。しかし人によってやりやすい検索方法は異なるのでそれぞれの手法を探してください。

なお今回書いた内容を完全に無かったことにするようですが、情報検索はあくまで手段なので自分で調べなくても身近に知っている人がいればその人に教えてもらうのが一番早くてお手軽なので、最もおすすめな情報の探し方です。もちろん、教えてもらう方には一定のやり方がありますし、教える方も相手のほしがる情報だけを単に教えるだけではなく、教える相手の検索能力を上げるような教え方が望まれます。

参照リンク

google:だいぶ能力が落ちたと言ってもまだまだ一番使いやすいです。

    http://www.google.co.jp/

goo:googleに対する対抗馬。今のところgoogleよりも良い場合もあります。

リンク集の例:一応これもリンク集です。

    http://www.tuat.ac.jp/~tuatmcc/link.html