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杉浦研究室では、将来の情報通信ネットワークのコアとなるワイヤレス通信技術の創造を目指して、信号処理、伝送方式、ネットワーク、理論・数値解析、プロトコル、セキュリティなどの基礎研究を行っています。また、現在の技術の枠にとらわれない学際的な研究にも取り組んでいます。

  • 遅延耐性ネットワーク型高信頼協調通信

    中継端末においてデータを一時保管しパケット遅延を許容することで、無線分散ネットワークの通信品質を大幅に向上する遅延耐性ネットワーク(DTN)型協調通信に関する研究。根本的な課題であるパケット遅延量を最小に抑えながら、DTNによる性能向上を実現しました。さらに、マルコフ連鎖に基づく解析を行い、提案手法の理論的裏付けに成功しました。

  • Li-Fi: 屋内LED照明を用いた可視光通信システム

    屋内に設置されたLED照明をアクセスポイントとしてユーザー端末が高速無線伝送を行う技術。可視光の周波数領域は電磁波の直進性が高く、チャネル行列のランクが低いままであるために、効率的にマルチソース伝送ができないという課題がありました。本研究では、適切な受信フィルタリングを行うことでチャネルランクを回復し、フルランク高速伝送を可能としました。

  • ナノスケール通信技術

    ナノスケール送受信端末や伝搬路のための通信技術に関する研究。人体内ネットワークや超小型コンピュータへの応用が期待されています。本研究では、ナノデバイス材料として注目を集めているグラフェン素材を利用して自由空間波長の数10分の1の小型MIMO送受信機のコンセプトを提案しました。特に、グラフェンに特有の高い伝導率、波長短縮効果、化学ポテンシャルによる制御といった特徴を利用した提案となっています。

  • 分散ストレージシステム

    ~分散した情報を確実に保存~

    記憶容量や信頼性の低い複数のデバイスをひとまとめにして大容量ストレージとして構成する技術。特に、無線センサーノード群を対象として、ノードの故障やデータの喪失に対して保存情報を保護可能な分散誤り訂正符号手法を考案しました。グラフ理論を利用したシステム構成により、高信頼かつチャネル容量に近いダウンロード伝送特性が実現できることを明らかにしました。

  • ネットワーク協調通信

    送受信端末が1対1の関係にある単独リンク通信は性能限界に近づき、更なる大幅な性能向上が見込めなくなってきています。そこで本研究では、ネットワーク内に無線端末が分散配置されたシステムにおいて、各ノードが協調的に動作することによってネットワーク全体の性能を向上できる実用的な方式を考案しました。ここでは特に、重要な課題である各ノード間の同期エラーや伝播路推定エラーに対してロバストな協調通信方式を開発することにより、車車間通信のような伝播路変動が激しい高速移動する極限的な環境においても高い性能向上を実現しました。

  • 車車間P2P通信

    ~高速移動ネットワークでP2Pを実現~

    トポロジー変化の速い車車間通信ネットワークにおいてローカル情報を車両間で共有することができるシステムを開発しました。インターネットなどの有線ネットワークと比べたときの大きな違いとして、ローカルサーバとして動作する車両ノードの物理的移動に伴い保存情報のルール付を動的に変更する必要があります。提案方式ではブルームフィルタの原理を応用することにより、オーバーヘッドを大幅に削減しながら、保存情報の高速検索が可能となりました。

  • Faster-than-Nyquist(FTN)信号処理技術

    ~ナイキスト基準限界を超える~

    ナイキスト基準で表されるシンボルインターバルの限界を超える高速信号伝送技術。特に、受信機でのシンボル間干渉を許容することにより、周波数帯域を増加させることなく、シンボルレートを向上させることを特徴とします。周波数領域信号処理を適用することで、現実的な電波伝搬環境においても実用的な受信演算量を実現する手法を提案しました。

  • 確率共鳴(Stochastic Resonance)

    ~ノイズ活用で性能向上~

    熱雑音に代表されるノイズは信号検出性能を低下させることが一般的です。それに対し、本研究が対象とする確率共鳴現象が発現するシステム環境ではノイズ電力が信号電力を増大させることが知られています。ここでは、確率共鳴現象を初めて通信システムの誤り訂正符号に適用し、ノイズ電力の増大により最大伝送レートを向上させることができる領域があることを確認しました。

  • 空間変調(Spatial Modulation)

    複数のアンテナを使って送信レートや信頼性を向上させるMIMO伝送方式において、簡易な送信機構成で無線リンクのレートを向上させることができる技術。複数のアンテナ素子から1素子を選択することで情報ビットを変調信号へ変換するため、RF1系統で動作する。送信アンテナ素子数に対するスケーラビリティが高いため、近年注目を集めている`Massive MIMO方式'への応用も期待されています。

  • 高機能車載アンテナ

    ~フロントガラスにビームスキャンアンテナ~

    複数のアクティブ素子を装荷した自動車用薄型指向性可変アンテナデバイスを提案しました。本デバイスは、ドライバーの視界をさえぎることなくフロントガラスに搭載可能であり、装荷したアクティブ素子のリアクタンス値を適応的に変化させることにより、1RF系統でアンテナ指向性を制御可能であることを特徴とします。このため、コストを大幅に増大することなく車車間通信システムなどの性能向上が期待できます。さらに、提案アンテナの指向性理論解を定式化により、所望信号波のトラッキングや高精度到来方向推定も可能となりました。