Alternaria alternataから検出される2本鎖RNAの構造解析
Moleculer characterization of dsRNA elements in Alternaria alternata
<○ 青木菜々子・山本奈津子・有江 力*・福原敏行・森山裕充
Aoki,N., Yamamoto,N., Arie, T. , Fukuhara,T., Moriyama,H.

Abstract

菌類から2本鎖RNA(dsRNA)が検出されることが、数多く報告されている。本実験では、数株のAlternaria alternataからdsRNAの存在の有無を調べた結果、EGS35193株から4成分のdsRNA(4.5kbp,2.6kbp,2.5kbp,1.5kbp)が検出された。このdsRNAはイネやインゲンマメから検出される植物dsRNA(14kbp)と比較して、約10倍のコピー数で存在することが推測された。サザン解析の結果、EGS35193株dsRNAとゲノムDNAとの相同性は示されず、このdsRNAはゲノムDNAからの転写産物ではないことが明らかとなった。さらにシークエンス解析の結果、EGS35193株dsRNAはRNA依存RNA合成酵素(RdRp)をコードし、自律的複製を行っている可能性が示唆された。ホモロジー検索の結果、EGS35193株dsRNAにコードされるRdRpはTotivirusのRdRpと類似性があることが示された。


平成17年度日本植物病理学会関東部会(2005年9月、府中市)口頭発表