トマト萎凋病菌が保持するサリチル酸ヒドロキシラーゼホモログ遺伝子(SHH1)の機能解析
Functional analysis of salicylate hydroxylase homologue gene SHH1 in Fusarium oxysporum f. sp. lycopelsici
北澤 雅稲見圭悟寺岡 徹有江 力
Kitazawa M., Inami K., Teraoka T., Arie, T.

Abstract

トマト萎凋病菌(FOL)が持つSHH1(van der Does 2008)はサリチル酸分解酵素であるサリチル酸ヒドロキシラーゼ(NahG)のホモログである.サリチル酸は全身獲得抵抗性におけるシグナル伝達物質とされ,SHH1がサリチル酸を分解することで病原性に関与していることが推察された.SHH1 は,FOL レース2 を接種したトマト(cv. 桃太郎)の葉および根部組織中で発現する一方,PSBおよびMM培地での液体培養下では発現しないことから,感染時特異的に発現していると考えられた.FOLゲノム上にはSHH1 遺伝子が1 コピーのみ存在することから,遺伝子破壊株を作出し,その性状を解析した.SHH1 破壊株では,トマトに対する病原性,MM 培地での生育速度と胞子形成数,サリチル酸に対する感受性に変化が認められなかった.


日本植物病理学会平成23年度大会(2011年3月、府中市で開催予定でしたが開催が中止されました。発表はなされたものとされています。)ポスター発表