Abstract
Gibberella sacchari(anamorph: Fusarium sacchari)は異なる交配型を持つ菌株間で交配し完全世代を形成するヘテロタリックな子嚢菌である.FGSC 7610 株(MAT1-2)にEGFPおよびhph(ハイグロマイシンB耐性カセット),7611 株(MAT1-1)にDsRed2およびhphを導入し,形質転換体7610-gfp-hph と7611-rfp-hph を得,これらの交配過程を蛍光顕微鏡観察した.一方,これらの交配の結果形成された子嚢胞子を単胞子分離し,単胞子分離株の形質(EGFP/DsRed2・hph・MAT)に関して遺伝的解析を行った.その結果,hph の遺伝子型と表現型が矛盾する株が認められ,そのhph中ではC:Gの2.5〜 11.6%がT:Aに置換されていた.これはNeurospora crassa 等で報告されているRIP(repeat-induced point mutation; Selker et al., 1987)様の現象と考えられた.
日本植物病理学会平成23年度大会(2011年3月、府中市で開催予定でしたが開催が中止されました。発表はなされたものとされています。)ポスター発表