イネいもち病菌を弱毒化するマイコウイルスの全塩基配列とそのウイルス粒子
Molecular characterization of Magnaporthe oryzae chrysovirus 1 (MoCV1) that attenuates host rice blast fungus and purification of the virus particles
加藤幸栄・●鈴木 佑・浦山俊一・青木菜々子・有江 力寺岡 徹・福原敏行・森山裕充
Kato, S., Suzuki, Y., Urayama, S., Aoki, N., Arie, T., Teraoka, T., Fukuhara, T., Moriyama, H

Abstract

イネいもち病菌に感染するMoCV1(M. oryzae chrysovirus 1)は, 4つの分節ゲノムdsRNAを有し, 宿主菌の生育や分生子形成の阻害といった弱毒化を引き起こす. これまでの部分的な塩基配列解析により, dsRNA 1 はRdRP_4保存モチーフを有すRNA依存RNA複製酵素をコードし, chrysovirus科に属することが示唆された(加藤ら,鈴木ら,平成20年度島根大会). 今回, MoCV1の4つのdsRNAの全塩基配列を明らかにした. このMoCV1が液体培養上清中から検出されることを前大会で述べたが, 今回この上清中からウイルス粒子の精製を試みたところ, エンベロープ様に包まれた直径約30nmの正多面体構造の粒子が観察された. このウイルス画分をSDS-PAGEで解析すると約70kDaのタンパク質が検出された. 現在, 予想される外被タンパク質の配列情報を元にペプチド抗体を作製し, 培養上清中に存在するウイルス濃度やウイルス接種実験を検討中である.

(共同研究内容)


日本植物病理学会平成21年度大会(2009年3月、山形市)ポスター発表