Abstract
Alternaria alternata mycovirus 1(AaV-1)が感染したA. alternata EGS 35-193株からは, 4成分のdsRNAゲノム(dsRNA 1-4)を有する直径約33nmのウイルス様粒子(VLP)が観察され, 精製したウイルス画分からは約90kDaのタンパク質が検出された. 外被タンパク質をコードするdsRNA成分を決定するため, 検出されたタンパク質のアミノ酸配列の分析を行ったが, N末端がブロックされていたため(青木ら, 平成20年度関東部会), Lysyl EndopeptidaseとTrypsin でゲル内消化後, ペプチドマップを作成し, 2つのピークについてN末端アミノ酸配列分析を行った. 決定されたアミノ酸配列とAaV-1のdsRNA 3(2,540bp)がコードするタンパク質の予想アミノ酸配列は一致し, dsRNA 3が外被タンパク質をコードすることが判明した. またEGS 35-193株から検出される欠損型dsRNA 2は(青木ら, 平成19年度島根大会), dsRNA 2(2,745bp)の内部の配列のうち, 230bp(1,275塩基から1,505塩基)が欠損して生成されたRNA分子であることが明らかとなった.
(共同研究内容)
*鳥取大農 Tottori Univ.
日本植物病理学会平成21年度大会(2009年3月、山形市)ポスター発表
*平成21年度学生優秀発表賞受賞*