Abstract
イネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)とイネ品種との反応にはレース・品種特異性が存在する.各菌株の胞子発芽液はそのレース特異性を反映し,親和性菌株の胞子発芽液を前処理すると非親和性菌株の菌糸伸展を助長し,非親和性菌株の胞子発芽液を前処理すると親和性菌株の菌糸伸展を抑制した.マンノース結合型レクチンであるConcanabalin A(ConA)をリガンドとしたアフィニティーカラムクロマトグラフィーにより胞子発芽液を分画すると,親和性菌株由来のConA結合画分は非親和性菌株の感染助長作用を示したが,非親和性菌株由来のConA結合画分は親和性菌株の感染抑制作用を示さなかった.本画分をproteaseまたは脱糖鎖処理すると誘導活性は低下した.また,本画分にはマンノース結合型イネレクチン(MRL)(Teraoka, 1990)と相互作用する成分の存在が示唆された.
日本植物病理学会平成21年度大会(2009年3月、山形市)ポスター発表