植物病原菌Alternaria alternataからの新規2本鎖RNAマイコウイルスの探索
A screening of novel dsRNA mycoviruses from virulent strains of Altenaria alternata
浮池孔洸・青木菜々子・*児玉基一朗・有江 力寺岡 徹・福原敏行・森山裕充
Fuke, K. , Aoki, N., Kodama, M.*, Arie, T., Teraoka, T., Fukuhara, T., Moriyama, H

Abstract

ナシ黒班病やトマト茎枯病を引き起こすアルタナリア菌16株から,宿主菌に影響を与え得る新規マイコウイルスの探索を行った. 各菌株よりdsRNAの抽出を試みた結果, 16株中5株からマイコウイルス由来のdsRNAが見つかり, EGS 39-128株では約2.5, 5.0 kbpに2成分, T 88-4株では約6.8 kbpに1成分, T 88-11株で約2.5, 3.0, 3.7, 6.8 kbpに4成分, T 88-107株では約1.5, 1.6, 1.8, 3.0, 3.8, 6.8 kbpに6成分, N 18株では約2.0~3.6 kbpに5成分, 約0.8~1.4 kbpに3成分の計8成分のdsRNAが検出された. これら5株のマイコウイルスが各宿主菌株に与える影響を調べる目的で, シクロヘキシミド処理や先端培養法, または分生子形成を介したウイルスフリー株の単離を試みたが, 全ての菌株において治癒菌株を得ることが出来なかった. 一方, N18株のマイコウイルスのdsRNA(0.8~3.6 kbpの8成分)は, 分生子単離株においてその含量が著しく変動し, 全核酸に占めるdsRNA含量が約50%に達する菌株も得られ, これらの菌株では菌糸の生育阻害が観察された.

(共同研究内容)


*鳥取大農 Tottori Univ.


日本植物病理学会平成21年度大会(2009年3月、山形市)ポスター発表