Abstract
グルタミン存在下において,Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici (FOL)がトマト葉の気孔に侵入する現象が見出されており,植物へのFOL侵入時にグルタミンが何らかの関与をすることが示唆されている(有本ら,1998)。平成19年度日本植物病理学会関東部会において,2D-DIGEを用いたFOLの植物侵入に関与するタンパク質の解析について報告を行い,グルタミン非存在下において発現するタンパク質を報告した(川部ら,2007).我々は現在までに,グルタミン存在下,あるいは非存在下において発現量の大きく異なるタンパク質を,2D-DIGEにより複数見出し,それらの部分アミノ酸配列を決定した.それらの候補タンパク質はデータベースを用い,タンパク質の推定・コードしている遺伝子の推定を行った.その結果,グルタミン存在下において非存在下より3倍以上の発現が見られるタンパク質をコードする複数の遺伝子(Heat shock 70 kDa protein等)が得られた.現在,それら複数の遺伝子を含む周辺配列を決定しており,今後遺伝子破壊を行っていく予定である.(共同研究内容)
*理研
日本植物病理学会平成20年度大会(2008年4月、松江市)口頭発表