チリ、メキシコ産トマト属植物および根圏土壌から分離されるFusarium oxysporumの系統解析
The phylogenetic analysis of Fusarium oxysporum isolated from Lycopersicon spp. and their rhizosphere soils in Chile and Mexico
○稲見圭悟岡部明子川部眞登*石川暢子**・Tobin L. Peever *・児玉基一朗***・寺岡 徹有江 力
Inami, K., Okabe, A., Kawabe, M., Ishikawa, N., Peever, T., Kodama, M., N., Teraoka, T., Arie, T.

Abstract

トマトは南米原産で、メキシコで初期の育種が行われた後、世界へ伝播したとされる。一方F. oxysporumFO)は土壌中等に広く生息しており、そのうち f. sp. lycopersiciFOL)はトマトに萎凋病を起こす分化型である。トマト植物や根圏土壌からしばしばトマトに病原性を示さないFOが分離されることから、我々は、トマトと共存し得るFOが育種・伝播の過程で病原性を獲得し、FOLが出現したのではないか、との仮説を立てた。そこで、チリとメキシコから、萎凋病に罹病していない野生トマト属(Lycopersicon spp.)および栽培トマト(L. esculentum)植物と根圏土壌を採集し、FOを分離した。これらにFOL株や他分化型株を併せてrDNA IGS領域の塩基配列に基づく分子系統解析を行った。同時にトマト栽培品種を用いた病原性検定、PCRによる交配型検定も行った。その結果、分離株はトマトに病原性を示さないにもかかわらず、系統樹中でFOLとともにクラスターを形成した。また、分離株の交配型は、MAT1-1とMAT1-2の株がほぼ同数であった。

*ワシントン州大 **現、食品分析センター ***鳥取大学


日本植物病理学会平成19年度大会(2007年3月、宇都宮市)口頭発表