キャベツ萎黄病菌Fusarium oxysporum f. sp. conglutinansFOC)の病原性欠損株で発現が多いオキシドリダクターゼ
Oxidoreductase highly expressed in a virulence - loss - mutant of Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans ( FOC ) .
岡部明子・吉田隆延*・有本 裕**・堂前 直**・森 翔吾***・寺岡 徹有江 力
Okabe, A., Yoshida, T., Arimoto, Y., Domae, N., Mori, S., Teraoka, T., Arie, T.

Abstract

(予稿)Cong:1-2 はFOC Cong:1-1 の継代中に出現した病原性欠損株であり,キャベツ苗への前処理によって萎黄病に対する生物防除効果を示す(吉田ら. 1998;野村ら.1998).Cong:1-1 とCong:1-2 で発現しているタンパク質を二次元電気泳動によって分離・比較した.Cong:1-2 でより多く発現していたタンパク質(約pI 5.4, 約75 kD)のアミノ酸配列を解析した結果,F. graminearum の推定タンパク質(FG11228.1)との相同性が示された.BLAST検索によってFG11228.1 はGMC oxidoreductase であると推定された.FOC においてこのタンパク質をコードする遺伝子を縮重PCR 法に基づいてクローニングし,2つのエキソンからなる1974 bp の推定ORF をodx1 とした.odx1 とその上流約2 kb ,下流約0.8 kb の塩基配列はCong:1-1 とCong:1-2 で100% 相同であった.またゲノミックサザンハイブリダイゼーションによってodx1 がそれぞれのゲノム上に1コピー存在することを確認した.odx1と病原性との関連を調査するため,Cong:1-2 においてodx1 をハイグロマイシン耐性カセットで置換し,odx1 破壊株を作出した.

*農環研
**理研


日本植物病理学会平成18年度大会(2006年6月、札幌市)口頭発表