チリ共和国の野生種トマト生息地域において分離したAlternaria属菌の性状
Chracterization of Alternaria spp. Isolated in the Fields of Wild Lycopersicon spp. in Chile
山岸大輔*・鈴木洋太*・有江 力・尾谷 浩*・児玉基一朗*
Yamagishi, D., Suzuki, Y., Arie, T., Otani, H. and Kodama

Abstract

Alternaria属のトマト病原菌としては,トマトアルターナリア茎枯病菌(A. alternata tomato pathotype),黒斑病菌(A. tomato)などが世界的に分布している.これら病原菌のルーツを探る一環として,トマト原産地のひとつであるチリ共和国北部地域(Tarapaca)の野生種トマト(Lycopersicon, L. chilenseL. pervianum)生息地において,選択培地を用いてAlternaria属菌とその近縁糸状菌の分離を試みた.主として空中飛散胞子由来の分離菌株について,胞子形態の比較, rDNA ITS領域のシークエンシング等により同定を試みた.その結果,分離菌の大部分はA. alternataとその近縁のUlocladium属菌であった.A. alternata菌株に関して,宿主特異的AAL毒素およびマイコトキシンFumonisin B1(FB1)生産をHPLCにより検出するとともに,それぞれの生合成遺伝子であるALT1およびFUM1の分布をPCRにより検定した.その結果,これら2次代謝産物生産ならびに生合成遺伝子の存在は確認できず,A. alternata分離菌株はトマト野生種周辺で腐生的に生息していることが示唆された.

*鳥取大農


日本植物病理学会平成17年度大会(2005年3月30日、静岡市)口頭発表