Abstract
トマト萎凋病菌(Fusrium oxysporum f. sp. lycopersici : FOL)NBRC 6531株(レース 1)ゲノム上に存在するキュウリモザイクウイルス(CMV)外被タンパク質と部分的に高い相同性を示す約1.2 kbの領域(avr1)が,トマトの抵抗性遺伝子Iに対する非病原性を決定していることを既に本菌株における同領域欠損株を作製することによって示唆した(中村ら,2004).本欠損株のavr1領域相補株も作出し,病原性ならびに菌学的性状を調査中である.同じレース 1の菌株であるMAFF 103036株のavr1領域の塩基配列はNBRC 6531株とまったく同一であった.しかし、レース 2およびレース 3菌株でavr1領域の存在は確認されなかった.このため,レース 1の菌株と,レース 2およびレース 3の菌株では,avr1領域周辺で異なるゲノム構造をしていることが想定された.
*農環研
日本植物病理学会平成17年度大会(2005年3月30日、静岡市)口頭発表