EGFP発現イネいもち病菌を用いたイネ葉鞘細胞内での感染動態の解析
Dynamic behavior of the blast fungus expressing egfp in rice sheath cells at some infection steps.
三田地貴史・金森正樹・齋藤憲一郎・有江 力・寺岡 徹
Mitachi, T., Kanamori, M., Saitoh, K., Arie, T. and Teraoka, T.

Abstract

イネいもち病菌のEGFP発現株を用い,イネ葉鞘細胞への侵入,侵入菌糸の伸展,蔓延の挙動を共焦点顕微鏡下で三次元的に解析した.接種24時間後では,侵入菌糸の多くが付着器直下の細胞内でのみ充満し,深さ方向への伸展はほとんど見られなかった.接種48時間後には,隣接細胞および深さ方向にも伸展していた.隣接細胞への侵入時には侵入菌糸は細胞壁付近でいったん膨潤後,くびれ細まり,細胞壁を貫入し,その部位ではGFPの蛍光が見られないか微弱であった.侵入後,侵入菌糸は膨み,丸い球状を呈したが, 時間と共に通常の細胞内侵入菌糸の形状に戻った.接種72時間後には,侵入菌糸は広い範囲の葉鞘細胞内および細胞間隙をあまり分枝せずに伸展し,その多くは侵入細胞内で充満しない傾向にあった.すなわち,本菌はまず付着器直下の細胞内で定着後,そこを足場に葉鞘細胞の長軸方向に沿って急速かつ広範囲に伸展し, 横軸方向ならびに深さ方向にも伸展すると考えられ,このことがイネいもち病菌の急速な病斑拡大と紡錘型病斑の形成に寄与していると示唆された.


日本植物病理学会平成17年度大会(2005年3月31日、静岡市)口頭発表