市販トマトに付随する糸状菌の検出および分離されたPenicillium spp.のパツリン産生能の調査
Isolation of Fungi from Marketed Tomato Fruits and Examination of Patulin Production in Isolated Penicillium spp.
日野愛子寺岡 徹有江 力
Aiko HinoTohru TeraokaTsutomu Arie

Abstract

2006年4月から2007年11月にかけて,無作為に抽出した市販の健全トマト果実54個から糸状菌の検出を試みた。クロラムフェニコール(50μg/ml)添加ポテトスクロース培地上に,供試トマト果実の表皮断片を置床,あるいはトマト果実表面の洗浄水を塗布し,生育してきたコロニーを調査した。その結果,得られた317菌株でCladosporium spp.(129株),Alternaria spp.(34株),Penicillium spp.(18株)が頻度高く検出された。このうち,Penicillium spp. 18株についてrDNA ITS領域の解析を行った結果,P. olsonii 9株,P. echinulatum 3株,P. brevicompactum 1株,P. citrinum 1株,P. crustosum 1株,P. italicum 1株,P. miczynskii 1株,P. solitum 1株であることが示唆された。これら18菌株について,マイコトキシン・パツリンの産生能の有無を調査した。各菌株について,パツリン生合成遺伝子であるisoepoxydon dehydrogenase(IDH)遺伝子をPCR法(Paterson et al., 2000)で増幅した結果,5菌株でIDH遺伝子の保持が確認された。


第8回糸状菌分子生物学コンファレンス(2008年11月18日、金沢市)ポスター発表