Abstract
土壌病原性子のう菌であるキャベツ萎黄病菌 Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans Cong:1-1 の継代培養中に病原性を欠損した株Cong:1-2が出現した。Cong:1-2をあらかじめキャベツに処理すると、Cong:1-1による病害が抑制されることから、Cong:1-2はキャベツ萎黄病に対する生物防除活性を持つ。Cong:1-1とCong:1-2間での発現タンパク質の差異を調査することで病原性関連因子、生物防除活性関連因子の探索を試みている。10日間振とう培養した菌体からタンパク質を抽出し、二次元電気泳動法によって分離展開し、タンパク質スポットの差異を調査した。その結果、約300のスポットをそれぞれ検出し、差のあるタンパク質を複数見出した。このうち、Cong:1-2で圧倒的に多く発現している推定オキシドリダクターゼタンパク質 (ODX1) に注目し、解析を行ったが、病原性には関与していなかった
*農環研
**理研
***東京農大
第6回糸状菌分子生物学コンファレンス(2006年11月12日、堺市)ポスター発表