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平成最後の年賀状

 15年程度前(もっと前かもしれない)まで農工大では、全職員の所属、内線番号、自宅の住所や電話番号が記載された職員名簿が全職員に毎年配布されていた(今では完全アウトの個人情報)。自分も農工大で働くようになったころには、その名簿を使って学科の諸先輩の皆様に、せっせと年賀状を書いたものだ。今となっては信じられない心境ではあるが、当時は年賀状の枚数が増えていくことに生き甲斐を感じていたので、当然、苦にもならないし、理想科学工業の「プリントゴッコ」*をゲットしてオリジナル年賀状を作ったりした。

 現在120-130枚ぐらいの年賀状を書いている(印刷している)が、2000年ぐらいからは年賀状用ソフトを使って作成、印刷して、あとは一言二言書き足して送付というプロセスである。若い人たちは年賀状のやり取りなどしないだろうし、下の統計データからもわかるように平成の終焉とともに消えゆく風習なのかもしれないが、お世話になった人、懇意にしていた人に対して、日頃疎遠になっていることに対しての非礼を詫び、幸せな生活を祈念することは、意義があることだと思っているが・・・・。

   
図(日本郵便等の統計データを元に作成):年賀状の発行枚数は2004年用をピークに減少している。今年の年賀状の当初の発行枚数は24億枚ということで、一人当たりに直すと19枚ということになるらしい。


 自分が作る年賀状は、謹賀新年的な挨拶、干支にちなんだ絵(寅年ならタイガーマスクの虎の穴のモニュメントなど)、前年に撮影した年賀状に相応しい写真を構成要素にして印刷して、空白の部分に、相手の方に合わせて一言書くというスタイルである。今年の年賀状は平成最後の年賀状ということだが、自分から止めるという度胸はとてもなく、新しい時代になっても、PCが使えて字が書けるまでは続けることになるだろう。昔、俳優の小栗旬さんがCMで言っていたように「出すのがたいへんだから、もらうと嬉しい」という感覚は個人的には凄く納得するフレーズである。
 ちなみに日本郵便としては12月25日までに出せば元旦に届くと宣伝しているが、ここ数年、自分は28日に印刷、29日にほぼ一日かけて一言を書き、30日の朝、国分寺郵便局に投函というスケジューリングである。ちょっと前までこの「年賀状書き」が相当プレッシャーになっていたらしく、夢にまで出てきたもので、終わるとホッとして風邪をひくということを繰り返した。ここ2年ほど、健康な年末年始を過ごしたが、今年は通常通り少し寝込んでしまった。新しい時代が始まった今年の暮れはどんな感じになるのでしょうか・・・健康か否か。ほぼ鬼が笑いますね。

 いずれにしてもこれから5月までイベントは平成最後のイベントとなるわけで、いろいろと考え出すと感慨深い。平成最後の修論発表会、平成最後の卒業式、平成最後の入学式等々・・・なんでもつけてしまいそうです。

*プリントゴッコ:いわゆる孔版印刷の技術の簡易版である。カーボンを含んだインキで書いた原稿にマスターとなるスクリーン(網目状のシート)に熱で融解する高分子を塗ったものを密着させ、フラッシュランプからの閃光を反射板で集光し、照射する。カーボンがある部分で光エネルギーが効率的に熱に変換され、孔が開いて製版終了。そこにインクを載せ、圧着するとインクが孔を通して、ハガキ等に転写される仕組み。うまくやれば多色刷りもできました。

おまけ(正月ということで双六に纏わるもの。遅きに失した感、満点ですが)
問)双六で上りが近くなっている状況を考える。ちょうどきっちり目がでないと上がれず、余っただけ逆戻りする。サイコロの目は1から6まで同じ確率で現れるととき、図のA~Fのどこが上がる確率が高くなるだろうか?どこでも1回で上がる確率は1/6であるが、2回目、3回目・・・に上がることをすべて考慮すること(おそらく直感での解答が正解です)。

   




解答例

A-Fどこにいても上る確率は同じである。以下のように考えればよい。
・A-Fどこにいても1回で上る確率は同じで1/6である
・2回目の位置を新たに出発点と考えるとやはり1/6である

以下同様であって、どこでも同じ確率になる。
(1回目からみれば、どの位置でも2回目にちょうど上る確率は(1-1/6)x1/6=5/36)

もう少し”数学的”にもできますが、そのうち追記します・・・。

(2019.1.16)