農工大の樹  その80

  
ネズミモチ
(モクセイ科イボタノキ属の種、学名:Ligustrum japonicum Thunb. 別名:タマツバキ)
  
 この種は樹高8から10m、胸高直径20cm前後になる常緑高木で、東アジアの本州、四国、九州、琉球、朝鮮、台湾、中国に広く分布します。幹は灰色で、表面はつぶつぶ(粒状の皮目)があります。葉は対生で厚く、光沢があり、楕円形です。葉の形が一見、ツバキに似ていることからタマツバキとも呼ばれます。この写真の個体は、農学部本館北側の植え込みの中に生育しているものです。写真にみられるように、6月に円錐形の花序に真っ白な花がたわわに咲いています。そして、花の後には、ネズミの糞を思わせる楕円形で黒紫色の果実が多くつきます。和名はこれに因んだものです。その実を潰すと、黒紫色で指が染まり、なかなか消えません。子供の頃、遊びほうけてシャツにこの実の汁をつけて叱られた思い出があります。よく似た樹種として中国南部を原産地とするトウネズミモチ(女貞)がありますが、この種は樹高、葉の大きさ、花序なども大振りで、葉を太陽にかざすとくっきりと葉脈が目立つこと、実を潰しても手が染まらないことなどでも容易に区別できます。両種とも刈り込みに強く、塩害、煙害に強いことから、庭木や緑化樹としてよく栽培されています。
      
環境資源共生科学部門 教授 福嶋 司

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