大気汚染の指標植物を用いた環境教育手法の開発
私たちは、ハツカダイコンとオープントップチャンバー(Open-top chamber, OTC)を用いた
光化学オキシダント(オゾン)に注目した大気汚染に関する環境教育手法を開発しました。
オープントップチャンバー(OTC)とは、植物を育成するための天蓋部のない透明の箱です。
写真で示したOTCは縦20cm, 横20cm, 高さ40cmの透明アクリル製の箱ですので、
お庭やバルコニーなどにも置けます。なお、ファンを回すために家庭用電源が必要です(電池可能)。
野外にふたつのOTCを設置し、一方のOTCには活性炭フィルターなどによって浄化した空気
(オゾン濃度を低くした空気, 空気浄化区)を導入し、他方のOTCには野外の空気をそのまま
導入します(野外空気区)。もし、OTC設置場所の空気がオゾンによって汚染されている場合は、
野外空気区で育成したハツカダイコンの子葉(最初に出てくるハート型の葉)の表面に白い斑点が
発現したり(可視障害)、葉や根の成長が低下します。
ただし、OTC設置場所の空気がきれいな場合は、野外空気区と浄化空気区で育てたハツカダイコン
の成長などに差が出ませんし、野外空気区で育てたハツカダイコンの葉に可視障害は発現しません。
府中市市民の皆様や子供たちに、この装置を使って実験をやっていただきました。
皆さんも、見えない空気の汚れを植物を通して見てみませんか。

