Last Up Date 11/29/1997
Disused Usui-line

信越本線・横川−軽井沢間が廃止となり、碓氷峠に105年ぶりの静けさが戻ってきた。横川、軽井沢の両駅にはそれぞれ車止めが設置され、すべての隧道及び橋梁には有刺鉄線が張られており、何者をもその行く手を阻んでいた。18トンの軸重を精一杯支えていたレールは錆び付き朽ち果てて、もう二度とこの上を列車が走らないことは誰の目から見ても明らかであった。廃止直前にみせた賑わいはもう過去の物となり、やがてレールは撤去され、碓氷線の残した痕跡は日を追うごとに消えていってしまうのであろうか。


現在、北陸新幹線は連続30‰の勾配を長大なトンネルで迂回することにより、碓氷峠を克服しているが、昔その急峻な勾配に真っ向勝負を挑んで、列車が四苦八苦しながらこの地を往来していたことが、一人一人の記憶から遠い物となってしまわないことを願うばかりである。
