東京農工大学科学博物館

繊維技術研究会講演会

更新日:2016/10/7

「多条繰糸機から自動繰糸機へ」


五味 宏 (元日産自動車(繊維機械)・繊維技術研究会会員)

生糸は、長期に亘ってわが国の重要な輸出産品でした。世界一の生糸消費国だったアメリカでは、大正12年(1923)頃から広幅機の原糸だった日本製の生糸が、次第にレーヨンに置き換えられてゆき、わが国の生糸が売れ残る状況になってゆきました。
売れ残ってゆく生糸がシルクストッキングの原糸に充てられ、次第にブームになってゆきました。シルクストッキングに供給できる生糸は日本生糸の他にないという信頼を確立したのが、御法川直三郎が発明した多条繰糸機による生糸です。
この多条繰糸機は、アメリカの生糸市場を独占したばかりでなく、わが国の製糸経営者の経営姿勢をも転換させ、全く新しい製糸技術を開拓し、次世代の繰糸機・自動繰糸機の誕生へと発展してゆきました。

開催日時 10月18日(火) 13:00〜15:00
会場 科学博物館3F講堂
その他 予約:不要 入場:無料
繊維技術研究会についてはこちら