学内の動き T行事・イベント
◎ 新年賀詞交歓会を開催
 1月6日(月)、50周年記念ホールにおいて、学長、理事、部局長、評議員のほか、多数の教職員の出席のもと、令和2年賀詞交歓会が開催され、学長から教職員に対し、年頭の挨拶が行われました。

 
年頭挨拶をする大野学長
【大野学長年頭挨拶】
 皆さん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
 2017年4月に新しい陣容で執行部がスタートしましたが、あっという間に3年が過ぎようとしています。大学の運営と言う、これまでの教育・研究生活とは全く違う重責を担い、毎日が新しい挑戦でしたが、大変充実しておりました。これも副学長、部局長、評議員の先生方をはじめ、全ての教職員の皆さんの協力の賜物です。ここに改めて御礼申し上げます。
 さて、昨年から新元号「令和」の時代となり、新しい気持ちで物事を始めることができました。新たに堀川理事・事務局長を迎え、教員と事務が協力して大学を運営する機運が一段と高まりました。また、工学部は8学科から6学科体制に改組が進み、よりシステマティックに教育が行われるようになりました。一方、農学府では、大学院が9専攻からひとつの農学専攻に改組・集約し、これまでの専攻の垣根をなくし、風通しの良い教育・研究を進める足掛かりができあがりました。これからの社会は地球規模の課題も山積しており、農学と工学が協力して解決する必要があります。まさに、地球を救うために東京農工大学が全学を挙げて本気で活躍する時が来たと言えるでしょう。
 夏には「農工大プラスチック削減5Rキャンパス」宣言をし、使い捨てプラスチックを使わない、再利用するなどに加え、新規材料、新規回収方法、体内蓄積の影響などの研究を進め、大学ならではの活動を行うと宣言しました。これ以降学生さんの意識も高まってきたと聞いています。
 4年後に迫った本学創基150周年を祝うために、記念事業委員会を立ち上げました。学内で協力体制を整えるために、皆さんには1000円募金をお願いしておりますが、趣旨に賛同して頂き、毎月募金して下さる教職員の方々が徐々に増えてきているのは嬉しい限りです。
 秋にはラグビーワールドカップが日本で開催され、日本が初めてベスト8に残った快挙には感動しました。まさに、意識のベクトルを揃え、目標に向かって努力したワンチームは素晴らしい成果を導くことができました。これは本学にも当てはまると感じました。
 英語の4技能試験の筆記テストが中止になると言う11月初旬の報道には驚かされました。他にも大学生への奨学金の支給方針が変わるなど、大学を取り巻く環境が目まぐるしく変わるようになってきましたので、しっかりと腰を据えて教育と研究を進める必要性を再認識しました。
 本学の業績の分析から、本学の実力は一段と高まり、指定国立大学法人の審査を受けるための条件をほとんどクリアーしております。教職員のたゆまない努力により、高いレベルに達していることを再認識しましたが、資金調達などの自己努力と自己責任が一段と強くなる指定国立大学法人への申請は計画しておりません。今後、国立大学法人への期待と風当たりはますます強くなり、作業量も増大しております。こうした本来の教育と研究以外に割く時間が増大している状況は憂慮すべきものがあります。そのためにも、役割分担を再考し、効率的な運営を目指しましょう。そのためには教員一人一人が本学を支えているのだと言う自覚を常に持てるような意識改革と新しい評価体制を確立する必要があります。 11月中旬には次期学長選考の最終段階の会議があり、現農学部長の千葉先生が4月からの学長に決まりました。大変厳しい環境の中、本学をワンチームとして取り纏め、本学がますます元気になるよう努力して頂けるものと期待しております。
 今年は、第3期中期計画の5年目です。4つの戦略目標を継続し、研究力の強化、教育研究のグローバル化、産学連携、高度イノベーション人材育成を推進させております。外部資金獲得、大学院博士課程への進学状況、国際共著論文、大学院生の海外派遣の機会、留学生の受け入れ状況など、順調に進捗しておりますが、気を抜くことなく目標の達成に向けて一丸となって努力してゆく所存です。その先には第4期の計画作成が待っています。大学改革が強く望まれている中、従前の状態維持と言う選択肢はありません。国税を使っており、国民から見られていることを意識し、大学が行うべき教育と研究を進めなくてはなりません。東京農工大学らしい改革を進めましょう。教育についても、リーディング大学院プログラムの成功を導いた大学院教育の新しい方法論を全学に波及させていきましょう。大学の使命は学生諸君に対する質を保証した教育です。学生たちが本学での教育、研究、さらにはキャンパスライフに満足し、我々教職員も充実感をもって働けるように、皆さんと共にいろいろ工夫し、楽しさを忘れずに、全力で対応して行きましょう。
 依然として予算的には厳しい状況ですが、現執行部は一丸となって本学を今まで以上によい大学にするよう任期満了まで全力で対応する所存ですので、皆さんもご協力のほどよろしくお願い申し上げます。皆様方と東京農工大学が共に発展することを祈念し、わたくしの年頭の挨拶といたします。
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