学内の動き T行事・イベント
◎ 公開講座を実施
 
公開講座が開催されました。

<獣医さんごっこで優しさづくり-幼稚園ミニ遠足->
 2019年5〜12月まで、広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)において、公開講座「獣医さんごっこで優しさづくり-幼稚園ミニ遠足-」が開催されました。本講座は、鈴木馨・FSセンター野生動物保護管理分野長が担当・実施しました。このミニ遠足は、「東京農工大学と地域を結ぶネットワーク事業」の「幼稚園・小学校飼育動物ドクター」として継続実績豊富な活動を公開講座として位置づけ、獣医さん遊びを通じての優しさづくりから、科学する心を育てる生きもの教育センターづくりを目指しました。これによって、好評なミニ遠足を継続・充実させることができました。
 子どもたち・引率の先生方にとても喜んでもらい、子供たちから絵手紙をプレゼントされるなど、たいへんやりがいのある活動として定着しています。農工大のチビッ子ファンを増やすこと、近隣の教育機関にとって頼れる存在になること目指しています。
 
ウサギさんにみんなでもしもししてみよう! 園児のお絵かき
 
<子供科学教室「シルクの科学」>
 2019年6月29日(土)に、科学博物館多目的実験室において、子供科学教室「シルクの科学」を開催しました。本講座では、カイコ・シルクの基礎知識および、タンパク質の構造と変性について学習することを目的に実施し、子供23名、保護者22名の計45名が参加しました。
 参加者には、1個づつ繭を提供し、観察することから始めました。「シルクの糸の細さはどれくらい?」「繭は何本の糸でできている?」「糸と糸がのりのようなものでくっついているが、接着剤が使われている?」などの質問をしながら対話形式で観察を行いました。さらに、糸を繭から繰り出す作業を行いました。この実験により、シルクは水やお湯には溶けないことを確認した上で、カイコはどのようにして水溶液であるタンパク質を繊維へ変換しているのかについて学びました。この観察と実験を通じて、シルクはタンパク質から構成されていること、カイコは体内で生産したシルクの水溶液を繊維へ変換していることを講義しました。
 さらに、予め用意していたシルク水溶液からゲルやフィルムを作製する実験を通じて、タンパク質の構造と変性について体得しました。作製したフィルムやゲルは、再生医療材料としても期待されていることを示し、再生医療分野でも活躍するシルクタンパク質について講義を実施しました。
 本講座は、スライドを用いた講義と実験を交互に行うことで、受講生の興味を持続させる工夫により、大変楽しんでもらうことができました。
 
 
 
<子供科学教室「目の錯覚を利用した不思議な立体を作ろう」>
 2019年10月19日(土)に、科学博物館の多目的実験室において、小学生を対象に、子供科学教室「目の錯覚を利用した不思議な立体を作ろう」を開催しました。見る方向によって不思議な見え方をする錯視立体を工作することにより、錯視について学ぶことを目的としたものです。子供18名、保護者13名の方にご参加いただきました。
 まずプロジェクタを使って、様々な錯視を引き起こす静止画像、動画像、立体の例を紹介しました。次に、錯視立体の例として、キューブとお面の作成キットを配布し、工作を行いました。キューブにはサイコロや家など自分で好きな絵を描き、お面には子供自身の顔を撮影し印刷したキットを配布し、それぞれ組み立てました。作成した立体を、片目をつぶって自身が左右に移動しながら見ると、静止しているはずの立体が自分の動きに合わせて回転して見えます。
 子供たちは、作成した錯視立体を興味深く観察していました。このような不思議な現象を、自分で工作し観察することで、科学の楽しさの一端が伝わったのではないかと思います。
 
講義の様子 実験の様子
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