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◎ 「大学における情報セキュリティの現状と展開 −自動防御・体制整備・教育訓練―」を開催
 総合情報メディセンターでは、IT分野におけるタイムリーかつホットな話題でのシンポジウムを毎年開催しています。今年は、「大学情報セキュリティ対策の現状と展開―自動防御・体制整備・教育訓練―」と題して11月30日(金)午後に開催しました。
 大学における情報セキュリティ対策は、この2,3年で体制の整備や教育訓練の実施など、具体的な課題解決への取り組みが進んでいます。また、国立情報学研究所からの情報提供(NII-SOCS)を活用しつつ、各大学が限られた予算と人員の中で、最大限の努力によりインシデント対策などを講じているのが現状です。 そこで、本シンポジウムでは、大学における情報セキュリティ対策の現状と今後の展開について、先行して取り組んでいる大学等からご講演いただきました。
 初めに学術・研究担当の荻原勲理事による開催挨拶のあと、特別基調講演「サマータイムに見る情報システムと「時間」」題として、立命館大学の上原哲太郎先生からご講演いただきまました。上原先生は、日本のサイバーセキュリティ及びデジタル・フォレンジックの第一人者です。この半年は、サマータイム問題に積極的にコメントしておられます。「時間」のキーワードやIT技術者不足の問題が認識され、見送りの方向に動いております。これまでの経緯と情報における時間の問題の根本をタイムリーに総括いただきました。
 続いて、岩手大学中西貴裕先生から「情報セキュリティインシデント対応体制の構築と運用」と題して、大学における情報基盤センターの立場から、インシデント対応体制の構築について、継続性のある人材運用面も含めてご講演頂きました。次に香川大学の米谷雄介先生から「香川大学での標的型攻撃メール訓練の導入と改善点の検討」と題して、大学内での標的型メール訓練の経緯と分析結果をご講演いただきました。
 本学からは、総合情報メディアセンター三島和宏助教が「キャンパスネットワークにおける802.1x認証と不正端末自動遮断」として、キャンパス情報ネットワーク更新時に導入した不正端末自動遮断システムの構成と仕組み、学内対応と資料、解除方法について説明しました。続けて総合情報メディアセンター辻澤隆彦教授から「キャンパスネットワークにおける不正端末自動遮断機能の運用と現状」として、不正端末自動遮断機能の運用状況と改善の検討について、検知レベルの検討などを報告いただきました。最後に、トレンドマイクロの佐竹信廣氏から「教育訓練のためのインシデント対応ボードゲームの具体的対策」と題して、情報セキュリティ担当者向けの教育訓練について解説いただきました。
 本シンポジウムの内容が、今後の情報系センターや情報セキュリティ部門、さらにCSIRT組織の在り方の手助けになれば幸いです。情報系センターの教職員のみならず、事務系の情報部門や関連企業の方々にも有益な講演内容でした。シンポジウム終了後、情報交換会を開催し、さらに深く議論意見交換を行いました。なお、シンポジウム出席者は51名、情報交換会出席者は22名でした。全国の情報系センターや事務情報部門からの参加者も多くありました。
 
 
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