学内の動き Ⅰ行事・イベント
◎ 公開講座を開催
公開講座が開催されました。

<子供科学教室「ホログラムを作ってみよう!」>
 8月5日(土)に、科学博物館3階の多目的実験室において、子供科学教室「ホログラムを作ってみよう!」が開催され、小中学生と保護者をあわせて15名の方々にご参加いただきました。
 本教室は、科学実験を実際に体験してもらう公開イベントで、科学博物館で定期的に開催されています。今回は、次世代の映像技術であるホログラフィーについて、その原理を学び、ホログラムを作製することで、最先端のフォトニクス研究を体験できるものとなっています。ホログラムの概要や原理、レーザー、実験方法などについて説明したあと、暗室の中に入り、スタッフの指導のもと、実際にホログラム作製に挑戦してもらいました。撮影と現像を終えて、透明な感光板から少しずつ立体像が浮かび上がってくると、「すごい!」など喜びと驚きの声が聞かれました。作製したホログラムは、記念として持ち帰っていただきました。
 アンケートでは、「原理や作り方が分かった」、「また参加したい」などの声がありました。科学実験や研究に興味を持ってもらう良い機会になったものと思います。
ホログラムの概要や原理を説明しました ホログラム作製に挑戦

学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会
 8月22日(火)から23日(水)に、遺伝子実験施設において公開講座「学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会」が開催され、中学・高校の理科系教員15名が受講しました。本研修会は、「教育目的組換えDNA実験」のガイドラインが文部科学省で制定された2001年に、筑波大学遺伝子実験センターと東京農工大学遺伝子実験施設が全国の国立大学遺伝子実験施設に先駆けて開催したもので、今年で17回目となります。
 研修会は、リテラシーとしての遺伝子教育を目標として米国で開発された教材を利用して行われました。オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の遺伝子を含むプラスミドDNAを大腸菌に導入し、翌日に大腸菌のコロニーを紫外線ランプの下で観察しました。プレート上の大腸菌のコロニーが緑色の蛍光を放つ様子から、遺伝子が発現して緑色蛍光タンパク質が蓄積しているかどうかを知ることができます。
 今回受講した教員の方々の指導の下、中学や高校の授業での同実験を通して、分子生物学に対する生徒たちの興味が高まることが期待されます。
講義の様子 緑色蛍光タンパク質の検出

<遺伝子工学実習講座DNAコース>
 9月14日(木)から15日(金)に、府中キャンパス学術研究支援総合センター遺伝子実験施設において「遺伝子工学実習講座DNAコース」が開催されました。
 本講座は初心者を対象に講義と実習をとおして遺伝子工学の基礎を学ぶことを目的としており、これまで毎年実施され、社会人対象のリカレント教育の場として高い評価を得ています。受講者は公的研究機関・民間企業の研究開発担当者、学部生・大学院生等、関東圏から8名が参加しました。
 実習では、遺伝子実験施設の専任教員の指導のもと、大腸菌コロニーの観察、PCR法、形質転換、菌の培養、プラスミドDNAの単離、制限酵素処理、アガロースゲル電気泳動など、遺伝子工学の基本的な実験操作を行いました。ラムダファージのゲノムライブラリーを用い、各自が寒天培地に形成された大腸菌のコロニーを選び、その中のプラスミドがラムダファージゲノムのどの部分のDNA断片を保持しているのかを特定する実験を行いました。
 受講者の中には、DNAを扱う実験の必要性を感じながらも、これまで学ぶ機会に恵まれなかった方が多く、本講座の2日間で基本技術をしっかりと体験できたことに満足した様子でした。受講者がそれぞれの職場で、遺伝子組換え技術を生かせるものと思われます。
アガロースゲル電気泳動の準備 電気泳動後のアガロースゲルの処理
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