学内の動き Ⅰ行事・イベント
◎ 公開講座を開催
公開講座が開催されました。

<高校生のためのb-ラーニング>
 6月10日(土)、小金井キャンパス講義棟にて、工学部有機材料化学科・材料健康科学寄附講座の主催により、公開講座「高校生のためのb-ラーニング講座」が開催され、高校生61名と引率教諭が参加しました。
 b-ラーニングは、身体(Body)と脳(Brain)からとったもので、自分の身体と脳を両方向につなぐことで、物事の理解度を格段にアップする科学的学習方法を学んでもらい、自分という人間を客観的に理解していただくための講座です。
 プログラムは、跡見順子工学府客員教授による身心一体科学(平成27年科学技術賞理解増進部門受賞)の講義を中心に、映像を楽しみながらの脳科学、身近なものを題材にした身体の物理、および、自律的に拍動する心筋細胞の顕微鏡観察、DNAの抽出・観察、さらに身体と脳をつないで元気になる跡見式体幹体操実習とその評価のための姿勢測定など変化に富んだメニューで構成されています。演習と講義内容を通して、高校生たちは、物事の原理を考え理解する科学的な思考と、働きかけ、努力すれば学習や能力が上がっていくという身心のメカニズムを学びました。
 この講座には、生物、化学、物理、保健、体育、公民などの様々な分野のものが融合されています。これまでバラバラに教科として学んできたことが、自分の身体と心(脳)を使ってつながって発展していく、いわゆる学際的な学びは高校生にとって新鮮であり、これからの進路を考える上での助けとなる有意義なものになったようです。
映像をふんだんに利用した講義 自律的に拍動する心筋細胞の顕微鏡観察


<子供科学教室「犯人は誰だ!?~化学発光のしくみを知ろう~」>
 6月24日(土)、東京農工大学科学博物館において、子供科学教室「犯人は誰だ!?~化学発光のしくみを知ろう~」が開催され、子供21名、保護者19名の計40名が参加しました。
 本講座では、実際に科学捜査で血痕の判別に用いられるルミノール反応を使った実験を行い、架空の被疑者5名の遺留品を想定して真犯人を当てていただきました。5つの遺留品サンプルを全員に配し、電気を消した部屋で試薬をかけてもらうと、子供たちからは「すごい!光った!」といった驚きの声が上がりました。保護者の方も、子供たちのそばでその様子を興味深く見ており、自分もやってみたいと実験に参加しました。実験の後には、反応の仕組みなどを説明し、参加者の方々に非常に熱心に聞いていただけました。
 その後、休憩をはさんで「からだにいい食べ物のひみつ」と題して、機能性食品のはたらきについての模擬授業を行いました。特定保健用食品がなぜ身体に良いのか、といった機構に関することもお話しましたが、終始興味を持って聞いていただけました。
 子供科学教室の内容全般について、大変興味を持って楽しんでいただけてよかったです。
子供たちも保護者も真剣に話を聞いてくれました


<子供身近な動物教室>
 7月1日(土)、府中キャンパスの広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)において、公開講座「子供身近な動物教室」が開催されました。
 本講座は、鈴木馨・FSセンター野生動物保護管理分野長が担当し、野生動物保護活動の紹介、動物の観察、ロボット・模型を使った実験、飼育動物との触れ合いなどが行われています。実物の観察や実験、触れ合い体験を取り入れていることもあって、今回も大盛況でした。この教室は長らく継続実施されており、最近では本学ホームページに案内が掲載されると間もなく申し込みが集中するなど、好評を得ています。「大きくなったら農工大に入りたい!」「獣医さんになるのが夢!」という子もいます。
 教育機関の動物飼育を支援する「幼稚園・小学校飼育動物ドクター」事業と有機的な結びつきを図り、農工大のチビッ子ファンを増やしていくことを目指しています。
コシャモと仲よし ドキドキ聴こえるかな? みんな集まろう!


<実演・実習 高校生のための野生動物学講座>
 7月16日(日)、府中キャンパスの広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センターにおいて、公開講座「実演・実習 高校生のための野生動物学講座」が開催されました。
 本講座は、鈴木馨・FSセンター野生動物保護管理分野長のほか、農学研究院共生持続社会学部門の武田庄平准教授、農学研究院動物生命科学部門の佐藤俊幸准教授、小山哲史准教授が担当し、大学での野生動物学教育と研究のわかりやすく具体的な理解を目的としています。野生動物保護活動の紹介や実演・実習を中心にしていることもあって、今回も大変好評で、多くの受講者に、本学への関心を深めていただきました。
 この講座の受講者には、動物関係の進路や農工大への進学を志望する生徒が多く、実際に本学に入学した学生もすでに多数にのぼっています。受講者の満足度も高く、今後も講座内容の研究に努めて発展させて行きます。
実物を見て学ぶ 聴診の体験実習 頭骨標本の観察実習


<身近なアリを知ろう>
 7月23(日)、府中キャンパスにおいて、小中学生を対象とした公開講座「身近なアリを知ろう」が開催されました。本講座は、様々な環境に多様なアリが生息していることを体験的に理解してもらうことを目的に、毎年開催しています。7回目となる今回は、小学生19名と中学生1名にその保護者、計37名が参加しました。
  農学研究院動物生命科学部門の佐藤俊幸准教授によるアリの生態に関するミニ講義の後、参加者自ら「吸虫管」を作成し、農学研究院動物生命科学部門の小山哲史准教授や日本蟻類研究会メンバーの指導の下、キャンパス内での“アリエンテーリング”に出かけました。子供達は資料をもとにキャンパス内を探索し、吸虫管で採集したアリを実習室に持ち帰り、顕微鏡を使って種の同定を行いました。
 講義室では、昼食をとりながら、アリの動画教材を鑑賞しました。屋外での採集を終了した後、アリの形態をよく観察してスケッチし、提出してもらいました。アリエンテーリングの点数にもとづき成績優秀者上位3名には金銀銅メダルが授与されました。日本蟻類研究会の近藤正樹会長による講評の後、全員に受講証明書が手渡されました。今回20種類ものアリが採集され、身近な環境にさまざま種類のアリが生息していることを実感し、家族ぐるみで楽しく学んだ一日となりました。
アリに関するミニ講義 吸虫管を使ってアリを採集 実体顕微鏡を使ってアリを同定


<自分で光を分けてみよう!―ピンクの光の謎->
 8月1日(火)、小金井キャンパスBASE本館講義室において、公開講座「自分で光を分けてみよう!―ピンクの光の謎-」が開催されました。
 はじめに「色と光」の関係について講義を行いました。最初に、空や太陽、虹の色を問題に出して、虹にはピンクの部分がないことに疑問をもってもらいました。次に、絵具の足し算やプリンターを例に色の3原色を、LEDやテレビを例に光の3原色を説明しました。ここで、黄色く見える光は「黄色の光」なのか、「赤と緑の光」なのか、という問題を出して、“光は分けられる”ことを説明しました。
 光を分けるために、模造紙と分光シートを使って、「手作り分光器」を作りました。次に、赤、青、緑のLEDを使って、分光実験を行いました。黄色の光を目で見て確認してから、分光器を通して見ると赤と緑にしか見えなくなることに、保護者も含めて驚きの声が上がっていました。白色、水色、オレンジ…最後にピンクの光を分光していくと、色が変わるたびに、たいへん盛り上げっていました。
 実験の後、葉っぱが緑に見える理由など解説し、講座は終了となりました。終了後も大勢が質問に来られたり、分光実験を繰り返してみたりと、「色と光」に興味を持ってもらうことができました。
色と光の関係を解説 熱心に取り組む参加者
 
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