学内の動き Ⅰ行事・イベント
◎ 平成27年度 公開講座を開催
<健康な新しい人間の生き方講座~生きている自分、人間である自分を知る>
 9月4日(金)および10月9日(金)、科学博物館において、工学部有機材料化学科・材料健康科学寄附講座の主催により、公開講座「健康な新しい人間の生き方講座~生きている自分、人間である自分を知る」が開催され、12名が参加しました。
 講座の内容は、1日目に跡見順子客員教授、跡見友章帝京科学大学講師による講義と心筋細胞の顕微鏡観察が行われ、2日目に跡見客員教授と長谷川克也JAXA研究員による講義とDNAの抽出・観察が行われました。細胞観察とDNAの抽出では、体内の微細な細胞・機構が自分を動かしていることを知り、脳科学・重力科学の講義では、自分の体を多角的に知ることを学び、参加者から驚きと共に自分の細胞・体に感謝する声が聞かれました。
 また、1日目に説明が行われたストレッチ・体幹体操を、参加者各自が講座2日目までの約1か月間にわたり自宅で実施し、身体能力測定(上体起こし・歩行・雑巾がけ・姿勢)でその効果を確認しました。ほとんどの参加者は、上体起こしの回数が増え、雑巾がけ効率も向上し、考えながら体を動かすことがいかに重要かを実感しました。
 講座終盤には、講師と参加者の間でハイレベルな質疑応答が行われ、参加者の本講座に対する高い意識が窺えました。自主的に勉強会を開いてみたいと望む参加者もおり、身心一体科学普及の手応えを感じた二日間となりました。
 
体幹体操を指導している様子 跡見友章講師による講義
 
 
<子供科学教室「動物を学ぶふれあい教室」>
 10月24日(土)、東京農工大学科学博物館において、子供科学教室「動物を学ぶふれあい教室」が開催されました。
 本講座は、山羊やラット、マウス、ハムスターなどの小動物と直接触れ合い、観察をとおして、人間の体との違いを学ぶもので、計17名(保護者を含む)が参加しました。
 最初に小動物の観察とスケッチが行われ、子供たちは配布された観察記録シートに詳細なスケッチを書き込んでいました。次にモルモットにタンポポの葉を食べさせ、モルモットが草食動物であることを学んだり、聴診器で心音を聴き、速度が人間よりも格段に速いことを実感しました。
 その後、牛の大きな絵を見ながら、肘や膝がどの部位にあるかをクイズ形式で学んだり、牛、山羊、鹿などの反芻動物の上顎には前歯がないことを、実際の山羊の口の中の観察をとおして実感しました。
 参加者は、色々な動物と直にふれあい大きな発見を得たばかりか、哺乳類の身体の仕組みについて楽しく学んだ一日となりました。
 
ウサギの観察記録を記入している様子 牛の肘と膝の部位を当てるクイズ
 
 
<第12回教育講演会「犬と猫の眼科」>
 10月24日(土)、府中キャンパス農学部附属動物医療センターにおいて、公開講座「第12回教育講演会『犬と猫の眼科』」が開催されました。
 本講座は、「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」が主催し、リカレント教育による獣医師のスキルアップ・再就職支援を目的として毎年開催されているもので、受講者からは、臨床獣医学の基礎や最新の知見を習得できる講座として、高い評価を得ています。
 今回は、田中あかね農学研究院教授による「スタートアップ!眼科診療…診断・治療のポイント」と題する講義および印牧信行麻布大学准教授による「眼科の外科療法…特に角膜に関連した疾患に焦点をあてて」と題する講義が行われました。
 いずれの講義も、基礎から応用までを網羅し、獣医眼科教育に携わる専門家ならではの最新知見が紹介され、受講者からは、「眼科診療は苦手だったが、今日から積極的にやっていける」、「眼科の外科は自分ではできないが、二次施設へと、つなげていけそう」、「症例を相談できてほんとうによかった」という声が寄せられ、大変有意義な講座となりました。
 
 
 
<第2回馬学習得講座A:「馬を学び、馬を知る」>
 10月31日(土)、府中キャンパスにおいて、公開講座「第2回馬学習得講座A:『馬を知り、馬を学ぶ』」が開催されました。
 本講座は、「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」が、馬に興味を持つ一般の方々を対象として昨年度から開始したもので、毎回定員を上回る応募があり、早くも人気講座となっています。
 当日は、バルセロナオリンピックなどで馬術競技スタッフとして活躍し、現在も馬術競技会の審判員を務める東京都馬術連盟の田中一弘氏を講師に迎え、馬との接し方・取り扱い方、様々な馬具の意義、馬術の基礎などについて、初心者にもわかりやすい講義が行われました。
 続いて、松田浩珍農学研究院教授により、馬術のデモンストレーションと解説が行われ、馬術部厩舎でのスタッフホースを使った実習では、実際に馬に触れながら馬への理解を深める機会が設けられました。
 受講者からは、「基本的なことから専門的なことまで分かりやすい説明だった」、「馬とふれあえた」、「ぜひまた参加したい」、と大変好評でした。
 本講座の詳細はホームページをご覧ください。
 http://www.tuat.ac.jp/~manabi/
 
松田教授による馬術のデモンストレーションの様子 実際に馬に触って、足裏を見る。
 
 
<第2回馬学習得講座B:「馬の生理と疾病」>
 11月1日(日)、3日(火・祝)の2日間、府中キャンパスにおいて、公開講座「第2回馬学習得講座B:『馬の生理と疾病』」が開催されました。
 馬学習得講座は、社会的注目度の高い題材として、また本学の施設および人的資源を用いた社会貢献事業の一環として昨年度から開催されており、今年度は、一般向けの講座に加え、獣医師を対象にした専門的な講座として本講座が行われました。
 当日は、松田浩珍農学研究院教授により、馬の生理・運動・疾病などについて講義が行われた後、馬術部厩舎において、スタッフホースを使った診療実習が行われました。
 参加した獣医師からは、「馬についてずっと学びたいと思っていたがこれまで全く機会がなかった、夢が叶った」、「少人数で丁寧な指導を受けたので、大変有意義だった」、「馬についての診療の講座は他になく、とても勉強になった」、「講義・実習とも内容が充実していてよかった」等の感想が寄せられ、大変好評でした。
 
馬の生理と疾病について講義を受ける受講生 前肢の検査を行う実習の様子。
 
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