学内の動き T行事・イベント
◎ 平成24年度 公開講座を開催
<子供科学教室>

●第1回(色を分けよう!―クロマトグラフィーに挑戦―)
 12月1日(土)、科学博物館において、公開講座「第1回子供科学教室〜色を分けよう!―クロマトグラフィーに挑戦―」が開催され、近隣の小中学生計24名(保護者を含む)が受講しました。
 当日は、ペーパークロマトグラフィーという科学分析の仕組みを使ってペンの色を分析する実験が行われ、受講した子供たちは、見た目は黒色のインクが、クロマトグラフィーによって、赤、青、黄色、黒などの色に分解できる様子を見て非常に驚き、実際に自分たちでもどの色が混ざっているかを当てる実験に熱心に取り組んでいました。
 実験に用いた材料は、家庭でも手に入りやすい身近な材料だったこともあり、「家でもやりたい」、「家でも復習します」という声が多くあがり、また、終了後のアンケートでは、「何色のインクが入っているかを知るまでまちどおしかった」、「とても楽しかった」、「おもしろかった」など高い満足を示す声が寄せられ、子供たちの科学に対する興味に応える内容であったことがうかがえました。

●第2回(科学的な目玉焼きマスター教室)
 12月15日(土)、科学博物館において、公開講座「第2回子供科学教室〜科学的な目玉焼きマスター教室」が開催され、近隣の小中学生計23名(保護者を含む)が受講しました。
 今回の講座では、各自の好みの焼き加減になるように目玉焼きを作るとともに、さらに科学博物館で展示されている「柔さ計測ロボット」を利用して、この焼き加減を数値データで表現するというテーマに取り組みました。
 目玉焼きは卵を割って焼くだけの簡単な料理ですが、焼き加減によって仕上がりが大きく変わり、好みも人によって異なる奥の深い料理であり、受講した子供たちは、少しの調理加減で仕上がりが大きく異なることを示す数値データに、高い関心を持って取り組んでいました。
 また、講座の最後には、自分たちで作った目玉焼きを味わい、好みと数値との相関を実感し、科学をユニークな方法で体験する有意義な一日となりました。

●第3回(木を知ろう!バードコールづくり)
 2月2日(土)、科学博物館において、公開講座「第3回子供科学教室〜木を知ろう!バードコールづくり」が開催され、近隣の小中学生計19名(保護者を含む)が受講しました。
 当日は、「木の名札づくり」、「バードコールづくり」、木に関する「クイズ」を行い、その後、植物の特徴や木と草の違い等について黒板を使って学習し、アメリカで開発されたアクティビティを用いて、受講者全員による1本の木をつくる「木は工場」では、心材・辺材・形成層・師部・樹皮などの幹の構造と役割について、体験をとおして学び、「葉っぱちゃんはお料理上手」と題したスライドでは、光合成の仕組みについて理解を深めました。その後、木に関する「クイズ」(アクティビティの一つ)の答え合わせ、アカマツ、ヒマラヤスギなどの樹木の観察をとおして、針葉樹と広葉樹の違いを学習し、木について学びました。
 最後に各自が製作したバードコールの使い方やフォックスウォーク(野生動物に近づくための歩き方)を習得し、いろいろな鳥や動物を呼び寄せる道具を観察して講座を終了しました。
 終了後のアンケートでは、「木のこと、バードコールのことが学べて良かった」、「バードコールのお土産が良かった」という声が寄せられるなど大変好評でした。
 
第1回「色を分けよう!―クロマトグラフィー
に挑戦―」の様子
第2回「科学的な目玉焼きマスター教室」の様子

第3回「木を知ろう!バードコールづくり」の様子
 
 
<第9回教育講演会「肥満細胞腫に関する最新知見」>

 3月3日(日)、農学部附属動物医療センターにおいて、公開講座第9回教育講演会「肥満細胞腫に関する最新知見」が開催されました。
 本講座は、「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」が主催し、リカレント教育による獣医師のスキルアップ・再就職支援を目的としており、臨床獣医学の基礎や最新の知識を習得できる講座として、受講者から毎回高い評価を得ています。
 今回は少人数の双方向的な講座形式とし、田中あかね農学研究院教授らから、肥満細胞の@腫瘍化メカニズム、A分子標的治療薬の作用機序、Bグルココルチコイドの有効性、C臨床症例に関するレポートの順で講義が行われました。
 実際に肥満細胞腫を研究し、肥満細胞腫外来を担当する獣医師ならではの専門的、かつ実践的な最新知見の紹介により、臨床現場ですぐに実施が可能な治療法や検査法を考察することができました。
 受講者からは質問が相次ぎ、また、「明日からの診療に役立つ」、「がん全般についても最新情報を得ることができた」、「少人数だったので、自分の疑問点をよく聞いてもらい、理解が深まった」など熱心な声が寄せられ、大変好評でした。
 本講座の詳細はホームページをご覧ください。
 http://www.tuat.ac.jp/~manabi/
 
 
 
<子供たちと動物たちのふれあい授業>

 本講座は、たくさんの子どもたちが動物に親しみ、興味を持ち、そして動物について正しく理解することを目的に、学内で飼育されているウシ、ヤギ、ウマ、ウサギ、ハムスター、ラット、モルモット、ウズラ、カメなど、多彩な動物を用いて毎年開催されているもので、本年度は、6月22日に小金井特別支援学校生を対象として実施した後、主に近隣の小学生を対象に、出前授業も含めて計14回実施されました。
 学校のクラス単位、あるいは学年単位で開講しており、事前に担任の先生方と内容について相談し、馬術部、ミニホースの会、農ゼミ「のたっと」、野生動物研究会などの学生ボランティアの協力を得て行われました。
 授業の内容は、ただ動物とふれあうのではなく、学年に応じて、同じ生物としていたわりの心を持つことや、身体の造りがヒトとどう違うのかなどのクイズ形式を織り交ぜるなど、楽しく学べるような工夫がなされ、子供たちには授業後に絵を描いてもらうと、担任の先生方からは「視点が変わり、ユニークな絵を描くようになる」との感想が寄せられています。
 本講座は本学学生にとっても貴重な体験の場となっており、また、府中市以外の近隣市区の学校からも実施の依頼が来ており、今後もより充実した内容で継続して開催されることが期待されます。
 
ハムスター等を画用紙いっぱいに描いています 子供達から送られてきた作文など
 
次の記事→

530号目次へ戻る