◎ 「チョウゲンボウ」の野生復帰に貢献

 東京都で保護される傷病鳥類の野生復帰を支援するため、本学農学部の渡邉泉准教授(環境毒性学)、渡辺元教授(獣医生理学)、船田良教授(環境資源科学)、学生サークルである野生動物研究会と、東京都環境局、野生鳥類救護に実績のあるNPO法人野生動物救護獣医師協会(WRV)等は、傷病鳥類の野生復帰を支援するための連携体制を平成19年度から構築しており、絶滅危惧種「アカアシカツオドリ」に引き続き、猛禽類の「チョウゲンボウ」の野生復帰に貢献しました。
 怪我や衰弱したタカ目ハヤブサ科のチョウゲンボウ4羽が、米軍横田基地、大田区、羽村市で保護され、昨年10月から今年6月にかけ東京都環境局をとおして本学に運ばれ、リハビリ施設において、検査・往診治療・リハビリを行い、飛翔力回復のためのフライトトレーニングや活きている動物の捕獲訓練など野生への復帰訓練を行ない、4羽とも順調に回復し、8月に2羽を府中キャンパス内で放鳥し、残りの2羽も後日放鳥する予定です。
 傷病鳥類の野生復帰への取組みは、学生に対する教育プログラムの一環として重要視し、これまで、アカアシカツオドリを始めに、コサギ、オオルリ、キビタキ、メジロ、ウグイス、コゲラ、ツツドリなどの野生復帰に成功しており、技術や知識を蓄積しています。
 傷病鳥類の野生復帰連携活動は順調に進められており、今後も連携体制を強化し、東京都における傷病鳥類の野生復帰のための拠点形成を目指しています。
 
<チョウゲンボウの外観> <フライトトレーニング中のチョウゲンボウ>

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