◎ 科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

 平成21年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を共生科学技術研究院の森島圭祐准教授及び蘆原(芦原)聡特任准教授が受賞され、4月14日(火)に塩谷 立文部科学大臣から表彰されました。
 若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点にたった研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者の方に授与されます。

 【若手科学者賞】

所属・氏名 業績名・業績概要

共生科学技術研究院

先端生物システム学部門

森島 圭祐
准教授

業績名:

筋細胞を用いたバイオアクチュエータによる生命機械の研究

業績概要
 従来のアクチュエータやセンサの研究では、人工的な材料を利用した研究が主流であり、生体組織、細胞を直接利用した方法論の提案には至っていない。森島准教授は、電気エネルギを全く用いず、化学エネルギのみで駆動する生物の発想を採り入れることで、生物の最小単位である細胞と機械を融合した、マイクロデバイスのパーツとして機能するバイオアクチュエータを実証し、従来にない生命機械を実現しようとする点で、極めて独創的な視点に立った研究手法を示した。

 本研究成果は、これまでのエネルギ消費型のものづくりとは全く異なる発想である細胞を用いた独創的なものづくりとマイクロナノテクノロジーを融合する概念を提供しており、医療用・環境適応マイクロマシンや革新的な省エネルギ型の新原理デバイスの開発に応用できると期待される。

共生科学技術研究院

若手人材育成拠点

蘆原聡
特任准教授

業績名:

中赤外超短パルスを利用した分子振動ダイナミクスの研究

業績概要
 生命現象を司る化学反応のメカニズムを理解するためには、反応に関わる分子の構造だけでなく、その運動状態や構造が変化するダイナミクスを知る必要がある。

 蘆原特任准教授は、中赤外光波長域の超短パルスレーザー光を駆使することで、液相分子の振動状態が時々刻々と変化する様子を明らかにした。特に、生命の源ともいわれる「水」の分子ダイナミクスを明らかにしたことが高く評価された。
 本研究成果は、これまでのエネルギ消費型のものづくりとは全く異なる発想である細胞を用いた独創的なものづくりとマイクロナノテクノロジーを融合する概念を提供しており、医療用・環境適応マイクロマシンや革新的な省エネルギ型の新原理デバイスの開発に応用できると期待される。

  4月17日(金)、両名から小畑秀文学長へ授賞の報告が行われ、小畑学長から「お二人の授賞は本学の誇りであり、今回の受賞を励みにして、更に研究成果を挙げていただきたい、また、併せて学生の教育活動にも力を入れていただき、優秀な教員になっていただきたい」との激励がありました。

    
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