◎ 「女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」
特別招待講演会および第5回講演会を開催

 今年度で2年目となる文部科学省委託事業「出産・育児で休業した女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」の一環として、11月27日(木)附属動物医療センター2階セミナー室において特別招待講演会が、11月30日(日)第一講義棟2-24講義室において第5回講演会が開催しました。

 特別招待講演会では、済州大学獣医学科 Dr.Youngheun JEE 准教授をお招きし、多発性硬化症(MS)治療薬として期待されるglatiramer acetateno の作用機構について講演が行われ、調節性T細胞機能に着目した研究成果を英語で解説されました。学部生、大学院生や若手教員が参加し、講演後には、英語と日本語を交えた活発な質疑応答が行われました。

 第5回講演会は、『伴侶動物の悪性腫瘍(その1)−臨床獣医学的アプローチ』をテーマに開催され、座長に東京都獣医師会の安田英己理事をお迎えし、前半は岐阜大学獣医臨床腫瘍学 丸尾幸嗣教授が、後半は本プログラムのプロジェクト・リーダーでもある本学獣医学科松田浩珍教授が講演を行いました。
 丸尾氏教授は、「小動物によく発生する上皮系悪性腫瘍の診断と治療」と題して、臨床腫瘍学の現状と犬猫に非常によくみられる乳腺腫瘍について、犬と猫での特徴、診断、治療と予後をわかりやすく解説しました。また、松田教授は、「よく遭遇する非上皮系悪性腫瘍への対応」と題し、リンパ腫、繊維肉腫、メラノーマ、イヌ肥満細胞腫について、疫学的特性から診断、治療、予後と系統だった講演を行い、その中でも特に、今後の獣医一次診療においても大きな役割を果たすであろう遺伝子検査の重要性について解説しました。
 当日は、100名を超える参加があり、中には毎回講演会を楽しみにしている方も多数いらっしゃるようです。質疑応答も活発に行われており、「もっと長い時間講演をやってほしい。」「日ごろの臨床に役立つ。」との感想が寄せられています。また、回を重ねるごとに後援企業や企業展示も充実してきており、獣医師に対し様々な情報を提供する場であるとともに、参加者同士の交流の場ともなっています。
 
 次回第6回講演会は、平成21年2月11日(祝・水)に「小動物の悪性腫瘍その2−臨床薬理学からのアプローチ」と題し、特に獣医領域で使用される抗癌化学療法剤の薬理作用、動態、効果と副作用、併用に関する注意点などに関して、獣医臨床薬理学領域から講師を招き開催する予定です。
 
 ※「女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」ホームページ は、こちらから
 
   
   
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