「出産・育児などで休業した女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」に関する 第1回講演会 「獣医師の再教育について考える」を開催

 10月27日(土)、府中キャンパスにおいて、平成19年度からスタートした文部科学省委託事業として実施する「出産・育児などで休業した女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」に関する第1回講演会「獣医師の再教育について考える」が開催されました。
 講演会では、本プログラムのプロジェクトリーダーである農学部獣医学科 松田浩珍教授が、これまでの獣医学教育再教育における問題点を指摘、プログラムの理念と概要について紹介しました。その後、農学部獣医学科 田中あかね准教授の司会で、女性キャリア支援・開発センター 宮浦千里センター長、東京都獣医師会品川支部長 古谷隆俊氏、さらに農学部獣医学科 田谷一善教授がそれぞれ講演を行いました。また、講演後には多数の獣医師や獣医師の卵たちが参加したパネルディスカッション行われました。
 本学では、既に4年前から研修医制度を実施して、小動物臨床の再教育を希望する獣医師の受け入れを行ってきました。希望者数の増加に伴い、小動物臨床に限らず様々な分野でのスキル及びキャリアアップ講座の実施が望まれていましたが、これまで十分な体制が出来ておらず、今回の講演会がその一助になることを目指しています。

 講演会に参加した女性獣医師達からは、「入学するときは大変なのに、卒業後の社会的な立場は必ずしも高くなく、十分な卒後教育などを受ける機会がないことに不満を感じていた。」「農工大や獣医師会が協力して、本格的な再教育システムを作って欲しい。」などの意見、また、本プログラムの発足に関し「とても期待している。」「全学的に取り組んで欲しい。」「もっと宣伝して欲しい。」など、期待とともに積極的なシステム構築を望む声が多数を占めていました。
 また、獣医学科受験を目指す高校生の保護者からは、「獣医師の社会における様々な役割を知ることができ、進路を考える上で視野が広がった。」「獣医師という仕事への考えを新たにした。」などの意見が寄せられ、今回の講演会を通して、本プログラムへの期待が予想以上に大きいことを再確認しました。
 次回は、日進月歩の変化を遂げる免疫学の基礎を学び、小動物臨床領域で問題となるアレルギー疾患へアプローチするための教育講演会開催を12月初旬に予定しています。
 
  
    
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